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2016 年度 実施状況報告書

肺切除後の代償性肺成長が癌進展に及ぼす影響とその機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K10259
研究機関山口大学

研究代表者

上田 和弘  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90420520)

研究分担者 西本 新  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90396325)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード代償性肺成長 / MCP-1
研究実績の概要

代償性肺成長を起こした残存肺における癌の進展を検証するため、左肺切除3日前にマウス尾静脈からマウス肺癌細胞(3LL)を注入した。開胸群、肺切除後胸腔内充填群、肺切除後胸腔内非充填群の3群とし、肺切除21日後に肺を摘出したところ、肺切除後胸腔内非充填群の残存肺では、開胸群に比べて、腫瘍部位数の有意な増加が認められた(47.7±10.7 vs 14.2±7.8, p<0.001)。また、肺切除後胸腔内充填群の残存肺では、肺切除後胸腔内非充填群の残存肺に比べて腫瘍部位数の有意な減少が認められた(22.0±14.3 vs 47.7±10.7, p<0.006)。さらに、肺切除後胸腔内非充填群の残存肺では、開胸群に比べて、MCP-1量の有意な増加が認められた(73.2±17.7 ng/g tissue vs 12.2±4.3 ng/g tissue, p<0.001)。また、肺切除後胸腔内充填群の残存肺では、肺切除後胸腔内非充填群の残存肺に比べてMCP-1量の有意な減少が認められた(45.0±10.4 ng/g tissue vs 73.2±17.7 ng/g tissue, p<0.015)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

代償性肺成長を起こした残存肺において、癌が進展し、MCP-1量が増加していること、さらに胸腔内充填により癌進展が抑制され、MCP-1量が減少していることを見出すことができたから。

今後の研究の推進方策

残存肺における癌進展とMCP-1の増加の因果関係を明らかにするため、MCP-1の機能阻害実験を行う。残存肺においてMCP-1の阻害により癌進展が抑制されるかどうか検証する。

次年度使用額が生じた理由

全額使用する計画であったが、わずかに残金(9円)が生じた。

次年度使用額の使用計画

In vitro実験の消耗品の購入代金に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Enhanced tumor growth in the remaining lung after major lung resection2016

    • 著者名/発表者名
      Fumiho Sano, Kazuhiro Ueda, Junichi Murakami, Masataro Hayashi, Arata Nishimoto, Kimikazu Hamano
    • 雑誌名

      Journal of Surgical Research

      巻: 202 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1016/j.jss.2015.12.012.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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