研究実績の概要 |
術前と術後6ヶ月において画像解析ソフト(AZE Virtual Place Raijin)を用いた胸部CT画像解析を行い,肺野の低吸収域容積(<-910 HU),機能的肺容積(-910から一600HU),両容積の和である全肺容積を 測定した.これらは切除肺葉と非切除肺葉に分けて測定した,術後の肺機 能の予測値は機能的肺容積の切除量に基づいて算出した.その結果、切除肺と 非切除肺の間で低吸収域の分布の不均一性はなかった(r=0.997).術後一 秒量の実測値が予測値の1.4倍以上であった8例を代償効果陽性と判断し た.うち7例で術前に気流閉塞を呈していたが,気流閉塞は術後に軽減し ていた.代償効果陽性の8例ではその他の症例と比較して低吸収域容積が 大きく,全肺容積から肺活量を差し引いた容積(呼気時全肺容積)が大き く,一秒率が低値であった,多変量解析で一秒率と呼気時全肺容積は代償 効果の独立予測因子であった。
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