研究課題/領域番号 |
15K10267
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
吉増 達也 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60316099)
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研究分担者 |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
佐藤 冬樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60400131)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肺癌 / 遠隔転移 / 臓器特異性 / seed and soil theory |
研究実績の概要 |
肺癌は多くの臓器に転移を来す.しかし全臓器に等確率に転移を来す訳ではなく,転移の生じる臓器は症例により異なっている.治療計画をたてる上においても,個々の肺癌がどの臓器に転移を来しやすいか知ることは重要である.我々はこれまでの研究で,ヒト肺癌培養細胞株を用いたin vitroでの多臓器転移モデルを開発し,マイクロアレイ解析を用いて転移先臓器の特異性規定遺伝子の複数の候補を同定した.マイクロアレイ解析はスクリーニングの手法であるため,確定には検証実験の追加が必要である.本研究では,これまでの我々の研究により同定された多数の候補遺伝子群の機能を,有望と思われる遺伝子から順次解析を進め,肺癌における転移先臓器特異性決定遺伝子を確定し,その機序の解明を行う.本年度は,肝転移の特異性を規定すると考えられるEDIL3について検討した. EDIL3を過剰発現させたPC-9細胞と,originalのPC-9細胞をmouseに接種し,転移の形成について調べた.これらの細胞にはGFP遺伝子を導入しており,蛍光にて転移を観察できる.これまでのところ,血管内投与では肝を含めて臓器転移は確認されなかった.一方,肝への直接接種では生着が確認されたことから,EDIL3は肝への到達ではなく,肝での生存に関与する遺伝子であることが推測される.本来,この研究では,in vitroの実験の段階で,細胞が臓器へ到達した後の生存と増殖を調べる形になっている,したがって,今回の結果は整合性のあるものと重われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
一つ目の導入遺伝子で転移が確認できず,検証に時間を有した.
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今後の研究の推進方策 |
転移モデルの確立の検証を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
転移モデルの確立が遅れたため,以降の検証へ進めなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
転移モデルの確立は完了したため,次年度は予定通り検証を進める.
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