研究課題
肺気腫(COPD)は日本人の死亡原因として重大な疾患の一つである。肺気腫は肺組織の不可逆的変化であるため、これまで根本的な治療法がなかった。肺組織の再生医療は動物実験においては既に成功の報告が複数あるが、まだ臨床応用に成功したものは無い。徐放化basic-FGF製剤は肺動脈および肺胞内投与にて肺胞を再生することが確認されているが,投与経路の特殊性に起因する侵襲性の高さ故に臨床応用に至っていなかった。我々は、希釈したフィブリン糊を用いてこの徐放化basic-FGF製剤をヒト胸腔内へ均等に投与する独自の技術を有しており、これを用いて肺気腫の再生医療の臨床試験を開始している。本臨床試験により、世界で初めて臨床において薬剤による肺組織の再生が証明されることになる。気胸合併肺気腫症例を対象に臨床試験の症例蓄積を進めており,現在までに12例の症例を蓄積した.治療効果としては,気胸再発の症例はなく一次治療としての効果は十分と思われる.全例でPSの改善を得.また,画像評価可能例においては,Low attenuation areaの有意な減少を確認した.
2: おおむね順調に進展している
症例の蓄積が進んでおり、有効性を検証できる結果が得られた.
このまま症例蓄積を進める.
症例登録数が予定より少なかった.
症例蓄積を進める.
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