研究課題/領域番号 |
15K10270
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坪地 宏嘉 自治医科大学, 医学部, 教授 (50406055)
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研究分担者 |
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245037)
遠藤 哲哉 自治医科大学, 医学部, 助教 (50528601)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肺癌 / 予後 / p27 |
研究実績の概要 |
肺癌切除検体を用いて、p27、S-phase kinase-associated protein-2(Skp2)、Kip1 ubiquitylation-promoting complex (KPC)、p53-inducible proteinwith RING-H2 domain (Pirh 2)の発現と臨床病理学的各因子との相関について解析を行った。扁平上皮癌では、p27の発現はリンパ節転移との相関が認められたが、腺癌では認められなかった。Skp2はリンパ節転移陽性例で発現する傾向にあったが、T因子、病理病期、分化度との相関は認められなかった。KPCの発現は分化度と相関し、腺癌ではT因子との相関が認められた。Pirh 2は、扁平上皮癌では各因子との有意な相関はなかったが、腺癌ではリンパ節転移および臨床病期と相関が認められた。細胞質におけるPirh 2の発現は、小細胞癌において核におけるp27の発現およびSkp2の発現と相関が認められたほか、非小細胞癌では細胞質におけるKPCの発現と相関していた。核におけるPirh 2の発現は、非小細胞肺癌では核におけるp27の発現と、小細胞癌では細胞質におけるKPCの発現と有意な相関があった。喫煙との関連については、Skp2の発現は重喫煙者程高度であり、Pirh 2の発現は重喫煙者で低下した。予後に関しては、腺癌ではPirh 2発現群で予後不良であった。また、臨床病理学的因子別に層別化すると、Pirh 2はT2群では予後不良因子であった。Skp2は、T2-3の症例において発現群が非発現群に比較して予後不良であった。p27及びKPCの発現については予後との相関は認められなかった。多変量解析ではリンパ節転移は有意な予後不良因子であったがPirh 2の発現は有意ではなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肺癌切除検体を用いた免疫染色による解析は進んでいるが、細胞における検討はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
肺癌切除標本の検体の数を増やしさらに統計学的解析を進めるとともに、細胞における検討も進捗させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該研究の進行がやや遅れており、物品購入費と実験補助員に対する人件費として使用する予定である。
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