研究課題
我々が次世代シーケンサー解析にて同定した25の胸腺癌における発癌原因遺伝子変異候補につき、各遺伝子・各遺伝子変異の機能解析研究を進めた。本研究の要となる各遺伝子の機能解析を行うためのウイルスベクターを作成した。ウイルスベクター作成には当初の予定通り、Gateway systemを使用した。我々が最も注目していたKIT遺伝子の全長PCRを作成し、Wild typeとSite-Direct Mutagenesisキットを用いて遺伝子変異を組み込んだ全長KIT遺伝子をウイルスベクターに組み込み、Ba/F3細胞にトランスフェクションし、機能解析を進めていった。KIT遺伝子変異を組み込んだBa/F3細胞に関しては、IL3 Freeの環境では細胞が育たず・増殖もしないため、KIT遺伝子が発癌原因遺伝子ではないのか、実験系がうまくいっていないのか、現在検証中である。並行してTyrosine kinase domainに変異を認めた5つのTyrosine kinase domainの遺伝子変異につき、当院で手術切除治療を行った20症例及び肺癌20症例のパラフィン切片からgenomic DNAを抽出し、各遺伝子変異を検索したが、遺伝子変異を認めた症例は1例も認めなかった。25の遺伝子において、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測に影響を及ぼすと思われる遺伝子を認めたため、胸腺癌におけるPD-L1タンパク発現についての検討を行った。胸腺癌におけるPD-L1タンパク発現の陽性率は比較的高く、免疫チェックポイント阻害剤が胸腺癌に対する有効な治療法になり得ることを英文論文にて発表した。
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