未破裂脳動脈瘤の一生涯における影響を評価するため、マルコフモデルを作成した。未破裂瘤の有無、後遺症の有無から健康状態を設定し、年間破裂率は0.5%、一定確率で健康状態間での移行が起こると仮定、疫学データに合致する脳動脈瘤の自然歴数学モデルとした。 未未破裂瘤を有する患者がクモ膜下出血で死亡する確率は、当該患者が60才で死亡した場合、男性25%、女性40%であったが、この確率は、患者の死亡年齢が上昇すると急速に減少した。一生涯で換算すると、小型瘤患者の90%以上はクモ膜下出血以外の原因で死亡すると予想された。小型瘤を有するための生命・機能予後の損失は60才男性で3.8%、女性で4.2%であった。
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