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2015 年度 実施状況報告書

多孔質足場を用いた動脈瘤開口部の新生血管壁構造の誘導実験

研究課題

研究課題/領域番号 15K10295
研究機関金沢大学

研究代表者

内山 尚之  金沢大学, 大学病院, 講師 (80293364)

研究分担者 見崎 孝一  金沢大学, 大学病院, 助教 (20507082)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード脳動脈瘤 / 塞栓物質 / cellulose porous bead / 多孔質足場 / 新生内膜
研究実績の概要

動脈瘤モデルの作成およびCPB(cellulose porous bead)の留置:オスのウィスターラット(体重300-350g)12匹に対して,腹腔内に60mg/kgのペントバルビタールを注入し麻酔を書けた後に,頸動脈分岐部を露出し,外頚動脈を結紮した状態とし動脈瘤モデルを作成した.その瘤内にCPBを留置した.
組織学的検討:術後,2週,6週,12週時に,4匹ずつCPBを留置した動脈瘤を採取した.具体的には,頸部を露出し総頸動脈,内頚動脈, そしてCPBの留置された外頚動脈を一塊として摘出した.総頸動脈,内頚動脈内は生理食塩水で洗浄後10%ホルマリンで48時間固定した.総頸動脈,内頚動脈および外頚動脈が同一平面に入るように矢状断面にて切開しパラフィンに包埋した.CPBが最大に見える割面を中心に4μで切片を形成した.得られた切片は,HE 染色, Elastic van Gieson 染色を行った.さらに血管内皮細胞をみるためにFactor VIIIを,血管平滑筋細胞をみるためにαSMAによる免疫染色を行った.1)Elastic van Gieson 染色:2週目の組織ですでに開口部に新生組織の増生を認め、それ以降12週目でも新生組織の増生を認めた.しかしながら組織の過剰増生による本幹動脈の狭窄所見は全く認めなかった.2)αSMA免疫染色:2週目の組織ですでに、開口部全体に広くαSMA陽性の紡錘形細胞の新生を認めた.3)Factor VIII:2週目の組織では、すでに開口部において1層のFactorⅧ陽性紡錘形細胞の新生を認めた.
現段階では,CPB留置後2週目より,すでに動脈瘤開口部に新生組織が増生していた.免疫組織学的には,表層に血管内皮細胞と思われる防水型細胞が存在し血管平滑筋細胞の増生もみられた.以後,6か月後までの組織変化を観察する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現段階までで,CPB留置後12週間目までの組織を採取することができた.組織学的評価は6週目までにとどまっているが,概ね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

当初の計画通り研究を行う.具体的にはCPB留置後6か月および12か月後の組織採取を行う.留置2週後に動脈瘤開口部に新生膜組織が存在することが確認されているが,その組織増生がどの時期まで進むのか,ある期間を経過すると変性する場合があるのかを検証する.最終的に留置12か月後に開口部に新生血管壁構造が構築されていることを確認する予定である.

次年度使用額が生じた理由

平成27年度に動脈瘤モデルをさらに8体作成する予定であったが完遂できなかった.そのためのウィスターラット購入費用が余剰金となった.

次年度使用額の使用計画

平成28年度に新たに動脈瘤モデル作成し,塞栓物質留置後6か月12か月の組織学的検索を行う予定である.そのためのラット購入費用に使用する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The Preventive Effect of Endovascular Treatment for Recurrent Hemorrhage in Patients with Spinal Cord Arteriovenous Malformations.2015

    • 著者名/発表者名
      Niimi Y, Matsukawa H, Uchiyama N, Berenstein A.
    • 雑誌名

      AJNR Am J Neuroradiol.

      巻: 36 ページ: 1763-1768

    • DOI

      10.3174/ajnr.A4396.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Post-delivery evaluation of morphological change in vein of galen aneurysmal malformation – possible parameter of long-term prognosis.2015

    • 著者名/発表者名
      Iizuka T, Arai T, Myojo S, Uchiyama N, Yoshida K, Fujiwara H.
    • 雑誌名

      Case Reports in Perinatal Medicine

      巻: 5 ページ: 41-44

    • DOI

      10.1515/crpm-2015-0061

    • 査読あり
  • [学会発表] 移動式血栓除去チームによる急性期再開通治療の治療成績 -Kanazawa mobile embolectomy teamの取り組み-2016

    • 著者名/発表者名
      内山尚之,毛利正直,見崎孝一,上出智也,東 良,廣田雄一,岩戸雅之,吉田優也,光田幸彦,南出尚人,朴 在鋼,正印克夫,中田光俊
    • 学会等名
      第31回日本脳神経血管内治療学会学術総会
    • 発表場所
      グランビア岡山(岡山市)
    • 年月日
      2016-11-19 – 2016-11-21
  • [学会発表] Kanazawa mobile embolectomy team(KMET)による急性期再開通治療の初期成績2016

    • 著者名/発表者名
      内山尚之,毛利正直,見崎孝一,上出智也,東 良,廣田雄一,岩戸雅之,吉田優也,光田幸彦,南出尚人,正印克夫,中田光俊
    • 学会等名
      第74回日本脳神経外科学会学術総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌(札幌市)
    • 年月日
      2016-10-14 – 2016-10-16
  • [学会発表] Kanazawa mobile embolectomy team(KMET)による石川・富山県内の急性期再開通治療の初期成績2016

    • 著者名/発表者名
      内山尚之,毛利正直,見崎孝一,上出智也,東 良,廣田雄一,岩戸雅之,吉田優也,光田幸彦,南出尚人,正印克夫,喜多大輔,旭 雄士,中田光俊
    • 学会等名
      第34回The Mt. Fuji workshop on CVD
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      2016-08-29 – 2016-08-29

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公開日: 2017-01-06  

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