研究課題/領域番号 |
15K10301
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
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研究分担者 |
尾崎 友彦 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00723123)
井間 博之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00751695) [辞退]
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10332743)
浅井 克則 (浅井克則) 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20728977)
木谷 知樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60747426) [辞退]
村上 知義 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70747427)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 皮質拡延性抑制 / HMGB1 |
研究実績の概要 |
本研究は、脳梗塞増大の一因と考えられている免疫応答反応と、虚血や外傷などの局所脳損傷時に損傷部周囲に自然発生する皮質拡延性抑制(cortical spreading depression:以下CSD)の相互作用を明らかにし、新たな脳梗塞治療法の開発を模索するものである。 本研究グループは、免疫応答反応の契機となりうる物質として、虚血や外傷などの損傷脳の周辺領域に放出されるHigh mobility group box 1(以下HMGB1)と呼ばれる核内DNA結合タンパク質に注目し、HMGB1核外放出とCSD伝播が互いに誘発しあうことが、脳損傷の二次性増悪の一因になると仮説した。 平成27年度は、マウスの脳表血流量をレーザースペックル血流計で可視化する実験系を作製するところから開始した。その後、塩化カリウムを脳表に塗布することで人為的にCSDを発生させ、CSD伝播がレーザースペックル血流計で観察できることを確認した。(CSDは脱分極の波であり、厳密には膜電位変化の可視化が望ましいが、これは技術的に困難であり、CSDに付随する局所的血流変化を可視化することで代用した。) 平成28年度は、正常脳組織および虚血巣辺縁領域(ペナンブラ)に種々の濃度のHMGB1抗原を塗布することにより、CSD発生数にどのような変化が起こるかを観察した。残念ながらHMGB1抗原投与によるCSD発生数の変化は認められなかったが、これは観察時間が短いことが影響している可能性があり、観察時間を延長することとした。 平成29年度は、抗HMGB1交代投与を行い、CSD発生への影響について検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
様々な濃度のHMGB1を投与したが、CSD発生数の増減を確認することはできなかった。この理由として、HMGB1投与後の観察時間(3時間)が短かった可能性があり、今後、この点を改善しつつ実験計画を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
HMGB1投与によりCSDの発生数が増加した場合は、抗HMGB1交代を投与(静脈投与もしくは脳表への塗布)を行い、CSD発生数が減少するかどうかを確認する。 HMGB1投与がCSD発生に影響を与えなかった場合は。CSD発生部位とそれ以外の部位の組織を採取し、各部位でのHMGB1核外放出程度を検証する。 これらによりHMGB1とCSD発生の関連の有無を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
HMGB1抗原および抗HMGB1抗体などの試薬購入が3月末に間に合わなかったこと、平成29年度はじめに動物実験用ルーペ購入を計画していること、などから、次年度使用額が発生しています。
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次年度使用額の使用計画 |
上記物品を早急に購入し、平成29年度の実験を遂行する予定です。
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