研究課題
基盤研究(C)
我々は、脳梗塞周囲において炎症誘発物質(HMGB1)と皮質拡延性抑制(CSD)が互いに増幅し合い、脳梗塞を進行させると仮定したが、急性期脳梗塞モデルにおいてこれらの因子に明らかな相関は認めなかった。また、脳梗塞作成後にHMGB1抗体を投与したが、CSD発生数は減少しなかった。これらの結果から、脳梗塞発症後急性期(6時間以内)においては、HMGB1がCSD発生数を増加させ、梗塞巣を増大させるというメカニズムは存在しないと考えた。今後は、炎症反応が著明となる脳梗塞亜急性期(発症後数日程度)にターゲットを絞り、HMGB1とCSDの関連を解明すべく新たな実験系を検討する予定である。
医歯薬学