研究実績の概要 |
本研究は、体外高周波振動装置を用い、遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベーター(recombinant tissue plasminogen activator: rt-PA)静注療法による血栓融解を安全かつ簡便に誘導し、再開通率を向上させるための臨床に即した研究である。脳梗塞超急性期のrt-PA静注療法は、閉塞血管の早期再開通させる脳梗塞の特効薬として臨床導入されたが、特に重症となる脳主幹動脈の塞栓性閉塞では、その早期再開通率は低い。体外高周波振動装置による効率的な血栓溶解作用を確立することにより、現在の脳梗塞超急性期の治療方法は大きく変わり、今後更に増加する重症脳梗塞患者の救済と、治療コストの飛躍的な低減により、医療経済にも大きな貢献をもたらす可能性がある。 H29年度は、体外振動が体内にどのように波及するかをファントムモデルを使用した実証実験を実施している。これにより、体外振動装置の条件が決定される。 本研究に関連し、急性期脳梗塞の搬送に伴う安全性に関連した臨床データをまとめ以下に発表した。Ishihara H, Oka F, Oku T, Shinoyama M, Suehiro E, Sugimoto K, Suzuki M. Safety and Time Course of Drip-and-Ship in Treatment of Acute Ischemic Stroke. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2017 Nov;26(11):2477-2481.
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