本研究は、体外高周波振動装置を用い、 rt-PA静注療法による血栓融解を安全かつ簡便に誘導し、再開通率を向上させるための臨床応用を目指した基礎的実験である。脳梗塞超急性期のrt-PA静注療法は、閉塞血管を早期再開通させる脳梗塞の特効薬として臨床導入されたが、特に重症となる脳主幹動脈の塞栓性閉塞では、その早期再開通率は低い。in vitroで全血クロットを用いて、rt-PA存在下の振動刺激により、血栓溶解増強をもたらす至適振動数、振動強度を検討した。血栓溶解は振動強度と振動周波数に相関し促進され、至適振動条件は30~50Hz, 50~100dBと考えられた。
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