研究課題
研究期間内に115例の頚部内頚動脈狭窄に対する内膜剥離術を行った。これら115例に対し、脳血流SPECTを行った。この結果、脳血流が有意に低下している症例25例を選択し本研究の対象とした。123I-iomazenil SPECTおよび18F-Fluoro-α-methyl-L-Tyrosine、trans-1-amino-3-18F-fluorocyclobutanecarboxylic acid (anti-18F-FACBC)、11C-methionineの3核種のアミノ酸を用いたPETを術前後に施行した。さらに、術前後にWAIS-R、WMS-R、Rey testを行い、申請者がすでに発表した方法で術後認知機能改善例と非改善例に振り分けた。術後認知機能改善例は12例であった。SPECTおよびPETの各画像データを画像解析ソフトである3D-SSPに取り込み、術後認知機能非改善例13例を対照として、各術後認知機能改善例で123I-iomazenil SPECTおよび各アミノ酸PET画像の特徴(有意に術後に増加した部位・面積)を算出した。123I-iomazenil SPECTでは術後認知機能非改善例は非改善例に比して、手術側前頭葉を中心としたiomazenil の集積面積が有意に大きかった。3核種のアミノ酸PETでも同意に術後認知機能非改善例は非改善例に比して、手術側前頭葉を中心としたトレーサ の集積面積が有意に大きかった。その中でも、18F-Fluoro-α-methyl-L-Tyrosineの集積変化が認知機能の改善と最も相関があった。123I-iomazenil SPECT上の術後集積増加域と18F-Fluoro-α-methyl-L-Tyrosine PETの集積増加域はほぼ一致していた。以上より1.頚部内頚動脈狭窄に対する内膜剥離術後の認知機能改善のメカニズムは神経受容体の活動増加によるものである。2.神経受容体の活動増加は脳アミノ酸代謝亢進と関与している。すなわち、血行再建術後に神経受容体の数が増加して、脳機能が改善していることを示唆する。
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