研究課題
これまで6年間に及ぶ脳血管内治療ロボット開発の基盤研究の成果として、まず挿入力測定装置(特許取得、臨床応用中)を開発し、研究成果として、カテーテルとガイドワイヤーの両方を別々に操作できる遠隔操作による操作ロボットを完成させ、これに挿入力測定装置を組み合わせた。このモデルではYコネクタを固定台に置き,その下に力センサーを配置し、さらに防水構造とした。電子制御回路は,ロボットの土台の中に格納し、力センサーを医師の手側でなく,Yコネクタの下側に設置したことで全長を短くした。この構造を,同じようにガイドワイヤー用のロボットにも適用してある。今回は挿入力測定装置における抵抗力認知の正確性について検証するととともに、安全管理の観点から、その抵抗を可視化することにより、過大な力がかかった場合にすぐに行為を停止させられるように設定を調整し、血管モデルを用いた実証を行った。今回の研究期間内では主として動作再現性の検証を行ったが、ジョイスティックによるマスター側の操作は忠実に反映されていたものの、スレーブ側の起動に数ミリ秒の遅れが生じることと、動作スピードは慎重な動きを行なうためと、高速操作でのスリップを防ぐため、実際の治療における操作よりはかなり遅く設定せざるを得なかった。また、現在有線でのコントロールとなっているため、ガイドワイヤーの回転角度に制限が生じていること、実臨床において使用するには装置全体がまだ大きく(特にカテーテル駆動部とガイドワイヤー駆動部の位置など)、それぞれの機器の相互作用(反発、追従など)や滅菌方法などまだ改善すべき点が残っている。今後も、安全かつ正確なカテーテル治療支援ロボットを完成させ、遠隔治療も含めた脳血管内治療の可能性の拡大と、術者負担の軽減のためにロボット治療の臨床での早期実現化を目指す。
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World Neurosurg.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016 /j.wneu. 2017.06.092.
平成29年度日本デザイン学会第3支部研究発表会概要集
巻: なし ページ: 35-36