研究課題/領域番号 |
15K10322
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
森岡 基浩 久留米大学, 医学部, 教授 (20295140)
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研究分担者 |
賀耒 泰之 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20626882)
広畑 優 久留米大学, 医学部, 教授 (40218863)
平井 俊範 宮崎大学, 医学部, 教授 (40274724)
河野 隆幸 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (50448536)
青木 孝親 久留米大学, 医学部, 講師 (70330842)
安陪 等思 久留米大学, 医学部, 教授 (90167940)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | もやもや病 / 後大脳動脈 / 動脈狭窄 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
もやもや病93例における後大脳動脈(PCA)の狭窄について検討した。93例の左右半球を186半球を、それぞれを無症候(51;半球数)、TIAのみ(41)、脳梗塞(72)、脳出血(22)半球と分類した。なおこれらのカテゴリーが重複する半球を持つ症例も対象から除外した。それぞれの半球に対し内頸動脈(ICA)狭窄/閉塞病変(S/O lesion)、もやもや血管の発達の度合い、ICAのSO lesionの部位、PCAのS/O lesionの有無 などについて検討し脳梗塞発生に関わる因子を解析した。 脳梗塞は決定的な後遺症の原因となる事、脳出血の発生は原因が異なる事等から、本研究では“脳梗塞半球”と“TIAのみ半球”の相違に最も重点を置き検討したところ、a)ICAのS/O lesionが中枢側まで伸展しているものではむしろ脳梗塞が少なく、b)PCAにS/O lesionをもつものがP<0.01で有意に脳梗塞の発生と関連していた。これらに更に多変量解析を行うとodds ratioがa) 4.51, b)22.29と有意に脳梗塞関連の因子である事が明らかとなった。これはICAの狭窄がAnterior choroidal artery, P-COMの末梢の狭窄病変が進行するに応じてPCAからの側副血行が発達する事で無症状、TIAのみですんでいるものがPCAまでに狭窄病変が進行すると側副血行がなくなる事から一気に梗塞が進行するものと考えられた。 更にPCA S/O lesionありとなしの群で相違を検討したが残念ながら今回の研究ではそれ以上の臨床的差異を見いだす事はできなかった。さらに経過中にPCAのS/O lesion が伸展した症例は2例のみであり狭窄伸展後はMRI-CISS画像で検出可能であったが伸展の事前予測可能な所見は得られなかった。
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