研究課題/領域番号 |
15K10331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
香川 尚己 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50444542)
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研究分担者 |
保仙 直毅 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10456923)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 腫瘍幹細胞 / 悪性神経膠腫 / 免疫逃避現象 / 分子標的治療 / 腫瘍血管正常化 |
研究成果の概要 |
悪性神経膠腫における腫瘍幹細胞の治療抵抗性および免疫逃避現象を解明するために、生体での免疫療法効果判定が可能なマウスグリオーマモデルを作成し免疫療法研究を確立した。病理組織学検討やフローサイトメトリーによる研究により、WT1は腫瘍幹細胞に多く発現しており、再発症例では、TGFβの発現増加、CD4陽性Tリンパ球低下、腫瘍細胞のHLA class I分子発現低下を認めた。また、腫瘍血管正常化因子の併用が、腫瘍内リンパ球浸潤を増加させ腫瘍抑制効果を増強させた。これらの知見を基に、WT1免疫療法に分子標的治療を併用することにより、免疫逃避現象を克服しより高い腫瘍抑制効果を期待できる可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
悪性脳腫瘍、小児中枢神経系腫瘍、腫瘍幹細胞、免疫療法、腫瘍血管新生
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性神経膠腫は放射線治療や化学療法が奏功しにくい腫瘍であり、免疫療法や分子標的治療、それらの複合的治療を含めたカスタムメイドな治療戦略が、患者にとって福音をもたらす可能性がある。生体での免疫療法効果判定が可能なマウスグリオーマモデルの確立は、悪性神経膠腫の治療開発にとって重要な役割を有すると考えられる。この研究を基に、悪性神経膠腫幹細胞の治療抵抗性の解明とともに免疫逃避機構の一端を明らかにできる可能性が示唆される。また、我々が開発してきたWT1免疫療法に加えて、免疫チェックポイント阻害剤、TGFβ阻害剤、血管正常化因子などを組み合わせることにより、難治性の悪性神経膠腫の治療改善に貢献できる。
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