研究課題/領域番号 |
15K10336
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大上 史朗 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70213626)
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研究分担者 |
山下 大介 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30750492)
大西 丘倫 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70233210) [辞退]
高野 昌平 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70467851)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 悪性グリオーマ / 血液脳関門 / drug delivery system / 集束超音波 |
研究実績の概要 |
悪性グリオーマの治療において、血液脳関門(BBB)の存在は薬剤移行を阻害し、治療の障壁となっている。近年、集束超音波により非侵襲的に特定の部位のBBBを一時的に破綻させ、薬剤の移行性を高める方法が開発されてきた。 我々の最終的な目標は、MBに結合させた核酸医薬の新規drug delivery system (DDS)を確立し、臨床応用を目指した悪性グリオーマに対する効果的治療法の開発を目的とした。平成27年度は初年度で、集束超音波によるBBB開放に関する条件検討と、実験に用いる、脳腫瘍モデルマウスの作成を行う計画であった。BBBの開放条件検討の為に、4週齢のICRマウスに対して、エバンスブルー(20mg/ml)を尾静脈より投与し、集束超音波の照射を行った。エバンスブルーの定量評価はホルムアミドで抽出し、吸光度計にて行った。また組織学的に安全性を評価した。開放の程度は集束超音波のIntensity(照射超音波強度)の強さ、Duty(実照射時間の割合)の大きさ、Burst rate(1回照射時間)の長さと正の相関を認めたが、1.0kW/cm2;以上の照射強度では脳組織損傷が認められた為、0.8kw/cm2以下でDDSの開発を進めることとした。また、脳腫瘍モデルマウスに関しては、U87ヒトグリオーマ細胞と Oct3/4強制発現したU251ヒトグリオーマ細胞を6週齢のヌードマウスに、ナリシゲの頭蓋固定器とハミルトンシリンジを用いて1×10 5/3μl移植することで成功した。造影MRIと、固定した組織標本にて確認している。固定器を用いて移植することで、部位・大きさが安定して作成可能であった。以上が最終年度におこなった研究結果であり、当初の研究実施計画通りに進行していた。集束超音波で安全にBBBを開放出来ることを確認したこと、また安定した脳腫瘍モデルマウスが作成可能になったことは有用であった。
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