研究課題
悪性脳腫瘍は予後不良である。近年、脳腫瘍細胞の薬剤抵抗性、放射線 抵抗性、再発時の腫瘍原性 、全ての統一的な原因になっている脳腫瘍幹細胞の存在が指摘されている。この細胞は大量の腫瘍細胞を供給する。脳腫瘍手術検体から採取・培養した腫瘍幹細胞を免疫不全マウスの脳内に移植すると、患者と全く同様の形態学的、遺伝学的 特徴を有し、化学療法で脳腫 瘍細胞は死滅するものの、腫瘍幹細胞は生存し、再び癌細胞集団を形成し再発する。我々のグループは、抗原を認識し攻撃しながら、 かつ分解(機能を破壊)できる画期的な分子である「スーパー抗体酵素」の研究に従事しているが、本研究ではヒト型「スーパー抗体酵素」が持つ抗ガン作用に着目し、画期的な抗ガン剤として実用化できるかについて検討している。多くの「スーパー抗体酵素」クローンの中から、いくつかの抗ガン作用を有する「スーパー抗体酵素」を見出しており、これらの知見を基に、本研究では、より効果の高いがん細胞を攻撃できる「スーパー抗体酵素」の作製に取り組んでいる。同時に、標的分子や組織内の局在、また、作用メカニズムなどを解明し、画期的な抗ガン剤としての実用化を図るのが目的である。 ヒト型「スーパー抗体酵素」の特長として、①抗体医薬 のように ADCC 活性に頼らずに自身でガン細胞 に障害を与えること、②低分子抗ガン剤にはない特異性を有していること、さらには 、予備試験で③毒性がほとんどないこと、などはこれまでの抗ガン剤を凌ぐ非常に高い性能を有していると言える。また、 狙った分 子を特異的に攻撃可能である事も、さらなる特長である。既に、脳腫瘍幹細胞の増殖抑制効果を有するクローンを分離している。今後 は、その治療効果を生体内で確かめ、トランスレーショナルリサーチとして、脳腫瘍のみならず固形がん幹細胞をターゲットにした治療法の確立を目指している。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
Neuro Oncol
巻: 20 ページ: 66~77
10.1093/neuonc/nox132
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s11060-018-2831-7
Journal of Neuroendovascular Therapy
https://doi.org/10.5797/jnet.tn.2017-0093
Journal of Neurosurgery
巻: 11 ページ: 371-375
https://doi.org/10.5797/jnet.cr.2016-0114
脳神経外科
巻: 45 ページ: 219-224
Neurosurg Rev
巻: 40 ページ: 267~273
10.1007/s10143-016-0759-y
巻: 126 ページ: 1873-1878
10.3171/2016.4.JNS16349
World Neurosurgery
巻: 98 ページ: 875.e13~875.e17
10.1016/j.wneu.2016.11.106
Acta Neurochir (Wien)
巻: 159 ページ: 831~834
10.1007/s00701-017-3135-y
J Clin Neurosci.
巻: 40 ページ: 120~122
10.1016/j.jocn.2017.02.023
Neurol India
巻: 65 ページ: 623-625
10.4103/neuroindia.NI_1034_16
Spine (Phila Pa 1976)
巻: 43 ページ: E177-E184
10.1097/BRS.0000000000002270
Neurol Med Chir (Tokyo)
巻: 57 ページ: 607~611
10.2176/nmc.oa.2017-0036