研究課題/領域番号 |
15K10339
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
長嶺 英樹 琉球大学, 医学部, 助教 (30573331)
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研究分担者 |
片桐 千秋 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00443664)
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
菅原 健一 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (50375573)
渡邉 孝 宮崎大学, 医学部, 講師 (90573337)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / グリオブラストーマ / 高気圧酸素療法 / HBO / 低酸素 |
研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍グリオブラストーマの放射線化学療法において高気圧酸素療法を併用することにより放射線の感受性を増感させることがマウスへのグリオブラストーマ細胞の異種移植モデルにより明らかとなった。腫瘍の組織学的解析により増感効果はグリオブラストーマに特徴的な壊死部の辺縁に広がる放射線抵抗を示す低酸素細胞の柵状配列が放射線により腫瘍全体に散在するのに対し高気圧酸素療法併用群では散在した低酸素細胞が酸素化され放射線の影響を受けやすくなることが示された。本研究は高気圧酸素療法併用による放射線増感効果の分子メカニズムの解明を目的として網羅的遺伝子解析にて変動のあった遺伝子に着目し解析を進めた。 昨年の研究結果から、高気圧酸素併用群で発現が上昇した遺伝子をテトラサイクリンを用いてグリオブラストーマ細胞株をスフェロイドに形成後に発現誘導させても、低酸素マーカーであるピモニダゾール陽性となりコントロールのスフェロイドと同様に低酸素細胞であり1遺伝子誘導だけでは低酸素細胞からの脱却はできないことが明らかになったため、複数遺伝子の組み合わせの可能性が示された。そこでこれまでの遺伝子発現解析結果は2.5気圧100%酸素条件だけであったため、本年度は1.0気圧通常酸素、1.0気圧100%酸素、1.5気圧100%酸素、2.5気圧100%酸素、1.0気圧100%酸素+放射線照射、2.5気圧100%酸素+RT放射線照射したグリオブラストーマ細胞株の網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、どの気圧においても高酸素条件で培養することによってサイトカイン受容体関連因子、ガン関連miRNA、嗅覚シグナル経路、代謝関連遺伝子、JAK-STATシグナル経路、PI3K-AKTシグナル経路の遺伝子群の発現変動が濃縮していることが示された。
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