相同結合(HR)に関与するRad51と非相同末端結合(NHEJ)に関与するXRCC6の遺伝子コピー数の減少は放射線化学療法後の神経膠芽腫患者の良好な生命予後と相関しており、これらの分子が治療抵抗性に関与していることが推測されたが、放射線化学療法前後の腫瘍サンプル遺伝子発現を比較解析すると、HRやNHEJに関与する遺伝子発現は治療により寧ろ抑制されており、CDKN1AとDDB2の発現が症例に共通して治療後に発現亢進していた。これらのデータから、神経膠芽腫に対する放射線化学療法後の遺伝子修復に関してはCDKN1Aによる細胞周期停止と、ヌクレオチド除去修復が主役をなしている可能性が示唆された。
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