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2017 年度 実施状況報告書

悪性脳腫瘍患者のQOL研究の確立と患者背景・治療がQOLに与える影響因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K10350
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

成田 善孝  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40392344)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード脳腫瘍 / QOL / I-ADL / EORTC / 神経膠腫 / 転移性脳腫瘍
研究実績の概要

悪性脳腫瘍患者のQOLに与える因子について調査研究を行い、QOLを改善するための方策を考案することを目的として研究を行っている。悪性脳腫瘍患者のQOLは、神経症状の悪化や認知機能の低下によるPS (performance status)が大きく影響するため、患者の活動度や機能を客観的にできる指標が必要である。平成29年度は、国際的に使用可能な、手段的日常生活動作(IADL)を測定するための調査研究を、欧州癌研究機関(EORTC)と共同で開始した。IADLは、炊事、金銭の取り扱い、買い物、洗濯、掃除、乗り物での外出、内服の管理、電話の使用など、日常生活の基本動作(BADL)より複雑な動作が含まれる。これらの能力は、社会において自立するための機能として必要とされる。まずEORTCの開発したIADLスコア表を日本語に翻訳した。原発性悪性脳腫瘍患者12名、転移性脳腫瘍患者12人を対象に、これまで23人の患者と家族に対して59項目の質問に対する回答IADLスコア表を記載してもらったうえで、記載した内容が妥当かどうか、インタビューを行い、さらに認知機能テストも行った。I-ADL調査対象は、患者23名、その家族23名で、男性9名、女性14名、IADL調査票は4点のリッカートスケールで、関連性と重要性を評価した。患者と家族が調査票記入を完了できたか、難しくないか、気分を害していないかなどを確認するために、患者および家族にインタビューを実施した。所要時間は、背景フォーム(5分程度)、認知機能検査(30分程度)、質問紙(40-60分程度)、インタビューの調査(60-90 分程度)であった。
まもなく調査研究が完了予定であり、EORTCの脳腫瘍QOL調査チームと各国のデータを解析して、共通のIADL調査票を完成させる予定である。さらにIADLスコアとQOLの関連について解析予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

QOLの調査だけでなく、欧米との共通の指標を開発することは、今後の様々な研究に役立つと考える。

今後の研究の推進方策

まもなく24名のI-ADL調査研究が完了予定である。EORTCの脳腫瘍QOL調査チームと各国のデータを解析して、万国共通のIADL調査票を完成させる予定である。さらにIADLスコアとQOLの関連について解析予定である。脳腫瘍患者には病気の特徴的な症状である身体機能障害や認知機能障害があることからIADLを制限する要因を特定することが、患者のQOLを評価する指標となると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

EORTCとの共同研究を完遂させるため、研究期間を1年延長した。

備考

悪性脳腫瘍患者のQOLは、神経症状の悪化や認知機能の低下によるPS (performance status)が大きく影響するため、患者の活動度や機能を客観的に評価できる手段的日常生活動作(IADL)指標を作成するための調査研究を開始した。EORTC各国とアジアからは、日本の代表として当科が参加した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] 欧州癌研究機関(EORTC)(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      欧州癌研究機関(EORTC)
  • [学会発表] 膠芽腫治療の現状と今後の展望2017

    • 著者名/発表者名
      成田善孝
    • 学会等名
      第55回日本癌治療学会
  • [備考] 脳腫瘍患者の手段的日常生活動作(I-ADL)を測定する質問紙の開発

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公開日: 2018-12-17  

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