研究課題/領域番号 |
15K10351
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
広島 覚 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30333694)
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研究分担者 |
鎌田 恭輔 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80372374)
野呂 昇平 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50762720) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Arterial Spin Labeling / functional MRI / functional mapping |
研究実績の概要 |
現在、脳機能局在検知する機能画像の手法としては機能MRI(fMRI) がスタンダードである。近年はarterial spin labeling(ASL)が脳機能評価を検出できるといわれているので検証を行った。結果は、運動機能と言語機能局在における評価は両課題においてfMRIの方がASLよりも検出能力が高い結果となった。しかし、ASLの示す機能局在は脳の構造から判断すると正確な機能局在を示している可能性が示唆された。特に運動機能においては、fMRIよりASLの方が一次運動野の場所を正確に表していた。この理由として、ASLは動脈血の変化、そしてfMRIは静脈血の変化を統計解析して得られるものという違いがあるからである。つまり、ASLは脳で代謝を受ける前の変化で、fMRIは脳で代謝された後の変化をとらえている為にfMRIとASLの機能局在に若干の相違があると考えられた。今後は手術の際に、この機能画像の結果を電気生理学的手法を用いた脳機能マッピングと比較検証していく必要がある。ASLを用いた脳機能マッピングを脳外科手術に用いることにより、より正確な機能局在を知ることができ、低侵襲な手術に貢献できるものと推測される。一方、記憶機能局在の検出はfMRIでもASLでも困難であった。この原因として海馬の血流変化が乏しいこと、頭蓋骨によるアーチファクトの影響が大きいこと、記憶課題提自体に問題があることが考えられた。この問題解決には解析データ量を多くすることを考えた。まず、fMRIのパラメーターを調整して解析量を増やす研究を行っている。今のところ、解析量を増やすことにより検出能力と信号雑音を低下させる可能性が見られている。さらに研究をすすめ記憶機能局在検出につなげていく。
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