研究課題/領域番号 |
15K10353
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 欣一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (60606383)
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研究分担者 |
中川 敦寛 東北大学, 大学病院, 助教 (10447162)
川口 奉洋 東北大学, 大学病院, 助教 (10723447)
鷲尾 利克 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (40358370)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 助教 (50376597)
大谷 清伸 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (80536748)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療機器開発 / 衝撃波 / 低侵襲手術 / 内視鏡 / 流体工学 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、軟性内視鏡下に末梢神経機能、細血管温存下に病変摘出が可能な手術デバイス(パルスジェットメス)の開発である。研究代表者は既に研究分担者との産学連携体制で組織選択性の向上により、細動脈ならびに視神経の温存下に病変摘出が可能な顕微鏡下に使用可能な手術デバイスの開発に成功し、拡大蝶形骨洞的到達法のうち、最も難易度が高い症例において、historical controlと比較し、統計学的有意に病変摘出率増加、術中出血量減少、手術時間短縮効果、さらには視神経機能温存下の病変摘出に関する臨床的概念を実証し、報告した。本研究期間内においては、軟性内視鏡に導入可能なデバイスを試作し、流体工学的基礎実験を行い顕微鏡下デバイスと同等以上のパルスジェットの射出技術を確立し、得られた結果を動物実験で検証し、研究期間終了時に倫理委員会の承認を得て臨床試験への移行を目指すことを目標としている。 今年度は軟性内視鏡用パルスジェットメス発生装置を開発するために、流体制御と組織選択性向上に関する工学的検討を行った。具体的には、ブタモデルにおいて神経、神経周囲組織、静脈の物性値(ヤング率、破断強度、粘弾性)を測定した上で、他臓器、組織のデータベースから最適条件を算出した。また、その条件を基盤として流体工学実験、理論解析による最適化、さらには模擬モデルを用いてノズル径、ノズル形状を含めた流体制御技術の推進に飛沫制御技術の推進とともに取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【軟性内視鏡用パルスジェットメス発生装置:流体制御と組織選択性向上に関する工学的検討】 第一に、臓器・組織物性値計測、神経に関する物性値(ヤング率、ポワソン比、破断強度)を東北大学臨床研究推進センター内開発拠点の既存の設備で実施した。また、パルスジェット射出条件を他臓器、組織のデータベースから最適条件を算出した(川口/中川/鷲尾/大谷)。 第二に、流体制御に関する模擬モデル実験による最適化、理論解析による最速度撮影、圧測定、フォースメータを用いて上記で求められた最適化条件を達成するパラメータ(レーザー(エネルギー・周波数)、形状(ノズル先端形状・ノズルファイバー先端間距離)を検証し、最適化に関する検討を行った(大谷/荒船/中川)。 第三に、パルスジェットによる飛沫、操作性制御実験、理論解析による最適化を、東北大学臨床研究推進センター内開発拠点の既存の設備で実施するとともに上記で得られた条件下に飛沫、操作性制御を検証した(大谷/中川/鷲尾)。
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今後の研究の推進方策 |
工学的検討に関しては、パルスジェットによる飛沫、操作性制御実験、理論解析による最適化を、さらに推進し、飛沫、操作性制御のバランスの面で最適条件を明らかにし、軟性内視鏡に導入可能なデバイスを試作し、流体工学的基礎実験を行い顕微鏡下デバイスと同等以上のパルスジェットの射出技術を確立する。その上で、動物実験で検証し、その後の研究期間終了時に倫理委員会の承認を得て臨床試験への移行を目指すための基盤を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度には、軟性内視鏡に導入可能なホルミウムヤグ(Ho:YAG)レーザーによるパルスジェット発生装置の流体制御に関する流体工学的な基礎実験を行い、模擬モデル実験と併せて、組織選択性向上のため各パラメータの最適化を行う予定で、概ね予定通り実施できたが、当初想定していたよりもトライアンドエラー無く、最適化の目途が立ったことから、石英光ファイバー、PVDF needle hydrophoneをはじめとした消耗品の使用が少なく済んだたため、少額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度には前年度の実験結果を踏まえ、デバイス試作を行うが、将来的な規制対応、保険収載を見越した試験も合わせて行うために、実験の工数が増加することが予想されることから、英光ファイバー、PVDF needle hydrophoneをはじめとした消耗品の増額、ならびに、動物実験をモニタリング下に行う(備品は既存のもので対応)ことから動物実験の評価系で消耗品を増額してさらに研究進捗を推進する。
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