我々は体細胞変異に起因する疾患について遺伝子変異の検索を施行した。その結果、Sturge-Weber症候群におけるGNAQ遺伝子および限局性皮質異形成症におけるMTOR遺伝子の体細胞変異の同定に成功した。MTOR遺伝子はmTOR経路に関与するたんぱく質をコードする遺伝子であり、本遺伝子変異がmTOR経路の活性化を惹起することを明らかにした。このMTOR遺伝子変異によるmTOR経路の活性化は免疫抑制剤の一つであるラパマイシンによって抑制されることが示されており、ラパマイシンをMTOR遺伝子変異に起因する難治性てんかんの治療薬として応用できる可能性が期待されており、現在臨床試験が進められている。
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