| 研究課題/領域番号 |
15K10381
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
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研究代表者 |
早川 幹人 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80450229)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 急性期脳梗塞 / 血栓回収療法 / 血管内治療 / 可逆的拡散強調画像高信号 / CT-DWI mismatch / ステントリトリーバー |
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| 研究実績の概要 |
急性期脳主幹動脈閉塞は内科治療では転帰不良なため血行再建療法により積極的に再開通が図られるべき疾患である。2015年に発表された複数のランダム化比較試験により、「発症6時間以内」に「内頚動脈～中大脳動脈M1部閉塞」「梗塞範囲が限定的（ASPECTS≧6）」の症例に対し「stent retriever」で治療した場合、内科治療に優る血管内治療の有効性が確立された。しかし、広範梗塞例に対する適応判定やstent retrieverでは有効性・安全性に懸念がある症例の見極めについては不明な点が多い。
術前画像所見と血管内治療自体の適応あるいは手技内容の適応の判定を行なう上で、頭部MRI拡散強調画像（DWI）の可逆性判定により広範梗塞が示唆されても血管内治療の恩恵を享受できる症例を選定することを目的に、研究代表者らによる急性期脳主幹動脈閉塞連続1442例の前向きレジストリ（RESCUE-Japan）のサブ解析において予測指標となることが示されたCTの早期虚血サイン領域とDWI高信号領域の乖離（CT-DWI mismatch）の意義を確立すべく、研究開始を準備している。加えて、本年度は、頭部MRI FLAIR画像と血管内治療後の頭蓋内出血の関連について、stent retriever使用例における脳血管造影所見と頭蓋内出血を含む血管傷害性合併症との関連について、血管内治療により回収された血栓病理所見と術前画像所見・使用デバイスの関連についての単施設研究を遂行し、国内学会での発表および総説発表を行なった。本研究から得られる成果は、急性期の主幹動脈閉塞に対する血管内治療の適応判定（症例選択・デバイス/手技選択）基準の策定に貢献すると期待される。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
可逆的DWI高信号域の予測におけるCT-DWI mismatchの意義確立の研究については、やや進展が遅れているが、急性期の主幹動脈閉塞に対する血管内治療の適応判定（症例選択・デバイス/手技選択）基準の策定に資する多数の関連研究（頭部MRI FLAIR画像と血管内治療後の頭蓋内出血の関連について、stent retriever使用例における脳血管造影所見と頭蓋内出血を含む血管傷害性合併症との関連について、血管内治療により回収された血栓病理所見と術前画像所見・使用デバイスの関連についての各単施設研究）を行ない、成果を挙げている。
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| 今後の研究の推進方策 |
可逆的DWI高信号域の予測におけるCT-DWI mismatchの意義確立の研究については、その客観性を確認すべく、単施設後ろ向き研究を遂行する。
その他の研究で得られた成果については、その臨床的意義を確立すべく、多施設共同後ろ向き研究または単施設前向き研究を行ない、多施設共同前向き研究遂行に向けて準備を進める。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、可逆的DWI高信号域の予測におけるCT-DWI mismathchの意義確立の研究の進展がやや遅れたことで、学会発表（特に海外学会）の水準に達せず、出張旅費が当初の見込みより低額であったことが挙げられる。
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| 次年度使用額の使用計画 |
未使用額および次年度以降に請求する研究費は、特に海外学会への演題発表における出張旅費、および本研究を構成する各小研究の多施設研究の開始準備にあたっての諸経費として充てることとしたい。
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