研究課題/領域番号 |
15K10384
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
高岸 憲二 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70154763)
|
研究分担者 |
山本 敦史 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30400732)
一ノ瀬 剛 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70742550)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 腱板断裂 / 廃用性筋萎縮 |
研究実績の概要 |
腱板断裂は肩関節機能低下をきたす代表的疾患であり,積極的な手術治療が行われるが,広範囲に断裂をきたした症例では術前に高度の筋萎縮を呈していることが多く,こうした腱は一次的修復が可能であっても術後に再断裂をきたすことが知られている.また,この筋萎縮は修復が成功した場合でも回復することはほとんど無く,不可逆性変化であると考えられている.従って,腱板断裂において腱板構成筋の筋萎縮を予防することは治療効果を向上させうると考えられる.一方で,リンゴなどから抽出されるウルソル酸は坐骨神経切断モデルラットを用いた実験において本来生じるべき筋萎縮を予防し得たとする報告があり,臨床への応用が期待されている.本研究の目的は腱板大断裂モデルラットにおいて,腱板構成筋の萎縮に対するウルソル酸の予防効果を調査することである. われわれは全身麻酔下に棘上筋腱と棘下筋腱を切離した腱板大断裂モデルを作成,2群に分け,一方には通常の餌を,もう一方にはウルソル酸を0.14%含有させた餌で飼育し,術後16週での腱板構成筋の重量を調査した.この結果,両群での筋萎縮の発生程度にはばらつきがあり,また,ウルソル酸投与群での明らかな予防効果は認められなかった.この現象は,手術による腱断裂の際に,腱の切離が不十分であった個体が存在することがサンプル取得の際に判明したため,われわれは手術手技を再検討し,確実に腱断裂を完遂する手術プロトコルを作成した.次年度はこのプロトコルと共に早急に腱板大断裂モデルラットを完成させ,ウルソル酸投与の効果を調査する予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腱板大断裂モデルラットの確実な作成が出来ておらず,実験結果が得られなかったため.
|
今後の研究の推進方策 |
新しい手術プロトコルと共に腱板大断裂モデルラットを完成させ,ウルソル酸投与の効果を調査する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究用試薬などの購入を行ったが,年度末に使用困難な端数が生じたため
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の物品購入費として当てる予定である.
|