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2016 年度 実施状況報告書

椎間板加齢性変化の現象解明と抗サイトカイン治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K10393
研究機関山梨大学

研究代表者

波呂 浩孝  山梨大学, 総合研究部, 教授 (10313264)

研究分担者 原 康  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (00228628)
安藤 隆  山梨大学, 総合研究部, 講師 (10377492)
高橋 淳  信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (60345741)
大場 哲郎  山梨大学, 総合研究部, 助教 (70456490)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード椎間板変性 / 炎症賦活メカニズム / 椎間板変性犬モデル / 抗サイトカイン療法
研究実績の概要

椎間板変性のメカニズムを特定することは、腰椎疾患の成因解明に極めて重要である。我々は、これまでに椎間板ヘルニア退縮のメカニズムを同定してきており、炎症性サイトカイン(TNF-α、TWEAK、MCP-1)や蛋白分解酵素(MMPs)や血管新生因子(VEGF)やマクロファージの遊走が、重要であることが明らかとなっている。椎間板ヘルニア退縮と椎間板変性の機序において、いずれも炎症に起因することがわかっており、今回、これら一連のメカニズムのイニシエーターを同定すべく、実験を行った。平成27年度の研究成果としてマウス椎間板内には炎症誘導作用を有するプロテアーゼ受容体PAR(protease-activated receptor)-2の発現がみられ、炎症性サイトカインInterleukin(IL)-1βの発現を誘導し分解酵素MMP-3およびMMP-13mRNAの発現を促進することが分かった。平成28年度の研究成果として、マウス椎間板にはさらに他のプロテアーゼ受容体Xが発現していることを、PCR法, ウエスタンブロット法, 免疫染色法にて確認した。また物質Yはこの受容体Xを介し、複数の炎症性サイトカインを産生させることを、サイトカインアレイでスクリーニングし、ELISA法にて定量した。現在、マウス椎間板における組織培養を行い、物質Yの刺激に対する血管新生因子の反応を検討している。細胞Zの共培養、細胞Zから放出されるサイトカインAの活性化についても検討している。今後は、物質Y と受容体Xの基質分解による椎間板への炎症、分解作用について検討することが目的となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画のMMP-7を含むMMPsでのPAR-2の基質分解と椎間板細胞(線維輪)ので活性化は確認できている。受容体を介した反応であることの証明も進行している。これに関与する他の受容体Xの同定がなされ、これに特異的な刺激物質であるYとの反応性も確認された。今後の課題として、両者の受容体を介した細胞内シグナルの伝達経路を解明する計画である。達成度としては70%程度と考える。

今後の研究の推進方策

PARの受容体は、現在4種類存在することが知られているが、今回の反応がどのレセプターを介して起こっているかを、アンタゴニスト/アゴニスト、またSiRNAの導入を行い明らかにしていく。また、タンパクのリン酸化をWestern Blotting法を用いて評価し細胞内シグナルの検討を行う。今回、関与の明らかになった受容体Xについても同様の検討を行っていく。
その実験結果をもとに、最適な標的分子を同定し、実際に自然発症腰椎変性ビーグル犬を用いて抗サイトカイン療法を行い、椎間板変性の抑制の評価および治療効果の検討を行う。具体的には、若年ビーグル犬に、物質Yのアンタゴニストなどを経皮的に投与する。評価は、MRI、歩行可能距離、四肢筋力などにて治療効果の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた消耗品(物品費)の価格が業者との交渉により、一部購入費の
削減が可能となったため。

次年度使用額の使用計画

繰り越しとなった研究費は、当初の研究費とあわせて消耗品(物品費)購入のための支出にあてる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 椎間板変性における炎症のメカニズム2016

    • 著者名/発表者名
      波呂 浩孝
    • 学会等名
      第31回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2016-10-14
    • 招待講演
  • [学会発表] 椎間板変性疾患における炎症性サイトカインの役割2016

    • 著者名/発表者名
      大場 哲郎
    • 学会等名
      第24回日本腰痛学会
    • 発表場所
      甲府富士屋ホテル(山梨県甲府市)
    • 年月日
      2016-09-02
  • [学会発表] Endogenous TGF-b activity limits TSLP expression in the intervertebral disc tissue by suppressing NF-kB activation2016

    • 著者名/発表者名
      大場 哲郎
    • 学会等名
      第45回日本脊椎脊髄病学会学術集会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2016-04-14
  • [備考] 山梨大学医学部 整形外科

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical/orthop/

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公開日: 2018-01-16  

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