これまで、生体内におけるagbl5遺伝子の発現部位、組織は不明であった。 agbl5遺伝子はヒト、マウス、ゼブラフィッシュなど種を超えて保存されるため、生命現象に重要な役割を果たす遺伝子と考えられる。 今回、生後1-2日のゼブラフィッシュ稚魚からtotal RNAを抽出し、agbl5遺伝子特異的なin situ hybridizationプローブを3つ作製した。また生成した各プローブと、生後数時間、1日、2日の稚魚を用いて、whole-mount in situ hybridizationを行い、mRNAの発現解析を行った。 結果、脳、眼、胸ひれの一部にagbl5遺伝子の発現を認めた。以上より、agbl5遺伝子はこれら発現部位において何らかの機能を発揮していると予想された。特に、ゼブラフィッシュの胸ひれは内軟骨性骨化の過程を有し、ヒトの上肢に相当する器官である。 加えて、agbl5遺伝子特異的ノックダウンオリゴを新規に2つ作製し、現在ゼブラフィッシュ胚を用いて、ノックダウンを遂行中である。
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