研究実績の概要 |
【コレシストキニンB受容体蛋白の局在実験】正常のL3-5の後根神経節と,坐骨神経損傷5日後の同側のL3-5後根神経節を摘出し,正常群, 坐骨神経損傷群の2群で抗コレシストキニンB受容体抗体を用いて,そのコレシストキニンB受容体蛋白の局在を調査したところ, コレシストキニンB受容体蛋白は後根神経節神経細胞の細胞膜に発現し, 坐骨神経損傷5日後に発現が増強されていた. 【坐骨神経損傷モデルを用いた遺伝子発現実験】正常.坐骨神経損傷後1,3,7,14日後の後根神経節におけるコレシストキニンB受容体のmRNA発現を定量PCRにて検討したところ, 坐骨神経損傷後7日にかけて790倍まで発現が増加し, 14日目には減少していくという結果が得られた. 【コレシストキニンB蛋白の軸索伸長に対する作用確認実験】コレシストキニンB蛋白の軸索伸長に対する作用を検討するために正常群,コレシストキニンB蛋白添加群,コレシストキニンB受容体阻害薬添加群の3群で後根神経節単離培養細胞を用いたin vitroでの検討を行った. 具体的にはマウスの後根神経節を摘出し,コラゲナーゼ処理をして初代培養神経細胞を3群作製する.そのうち2群はそれぞれ培養神経細胞にコレシストキニンB蛋白もしくはコレシストキニンB受容体阻害薬を添加し, laminin コーティングでは18時間後, PDLコーティングのみの場合は24時間後, βtublinを用いて神経細胞と軸索を染色し正常群とコレシストキニンB蛋白添加群, コレシストキニンB受容体阻害薬添加群の3群で軸索伸長距離と一つの神経細胞に対する発芽率を画像解析法で観察した.画像解析にはWeizmann Instituteより提供されているソフトウエアNeuroMathを用いた.しかし現在のところ各群の比較で有意な差は得られていない.
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