研究分担者 |
下田 真吾 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 連携ユニットリーダー (20415186)
寳珠山 稔 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 教授 (30270482)
栗本 秀 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (70597856)
平田 仁 名古屋大学, 予防早期医療創成センター, 教授 (80173243)
山本 美知郎 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (90528829)
|
研究実績の概要 |
慢性の痛みは患者の生活の質を著しく低下させ、社会的損失が大きい。我々は、基礎研究、臨床研究を行い疼痛メカニズムを解明をし、上肢疼痛患者の、客観的評価をおこなっている。疼痛関連部位の脳活動の変化を指標とすることでより正確な疼痛評価と客観的な評価を行うことを目的としている。対象患者としては手根管症候群、複合性局所疼痛症候群、幻肢痛などを登録した。手根管症候群患者は患側の正中神経を手関節部で電気刺激し体性感覚誘発脳磁場(SEF)を計測した。単発刺激に加え10, 40, 80, 200 msの刺激間隔(ISI)の2発刺激により誘発されたSEFより刺激後20msに出現するSEF成分(N20m)の振幅(RMS)の回復曲線を算出し、年齢対照群と比較した。2連続刺激により得られるSEFの回復曲線はCTSで早期に回復しており、感覚皮質での抑制的神経活動が減少していることが示され、CTSにより正中神経の皮膚感覚支配領域からの感覚入力が障害され、対応する皮質受容野内での機能構築が不明瞭となったことを、Iwatsuki K, Yoshida A, Shinohara T, Nakano T, Uemura J, Goto S, Hirayama M, Hoshiyama M, Hirata H.Recovery function of somatosensory evoked brain response in patients with carpal tunnel syndrome: A magnetoencephalographic study. Clin Neurophysiol. 2016 Aug;127(8):2733-8.にて発表を行った。また複合性局所疼痛症候群では、脳波および脳磁図検査において、疼痛スケールと coherence 値の相関度の高値領域を抽出し、脳波および脳磁図ともCRPS患者群と対照群でcoherence値に差が認められた。
|