研究課題/領域番号 |
15K10402
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
明田 浩司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20422826)
|
研究分担者 |
松峯 昭彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335118)
竹上 徳彦 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20727664)
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 助教 (50726198)
須藤 啓広 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60196904)
山田 淳一 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (70741164)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 生体材料 / チタン合金 / 生体活性処理 / 薬剤溶出材料 |
研究実績の概要 |
薬剤徐放型・生体活性化チタン合金スクリューの開発:生体活性化チタン合金スクリューの表面にビスフォスフォネート(BP)製剤を吸着させた薬剤徐放型・生体活性化チタン合金スクリューの作製方法を確立させ、in vitroおよびin vivoでの骨親和性および骨結合能を評価する。上記計画に対し、以下の研究を行った。 薬剤徐放性生体活性Ti-6Al-4V合金を調製するために、従来の生体活性処理の工程を改良し、ビスフォスフォネート製剤使用液の浸漬処理を追加した。アレンドロネード (AN) 溶液に浸漬することにより、3日間で約2.7μM (500μM AN溶液浸漬)のANが溶出することが確認された。しかし、その後、擬似体液中でのアパタイト形成が認められなかった。そこでさらに、生体活性処理法を改良し、Ca-加熱処理後に5μMのANあるいは50μMのミノドロン酸(MA)を含有させた水和ゲルをコーティングする方法を試みた。Ca-加熱処理を施したTi-6Al-4V合金にゲルコーティングを施したところ、10%の濃度の医療用グレードの水和ゲルを用いた時に1.8μmの適度な厚みのコーティングが得られた。同処理によりCa-加熱処理後に形成されたナノスケールの網目構造を有する表面層にゲルが浸潤されることが電子顕微鏡により観察された。処理後の合金は水中で1日以内に約0.01μMのANあるいは約0.1μMのMAを溶出したが、擬似体液中でアパタイトを形成しなかった。そこで、水和ゲルに水酸化カルシウムあるいはリン酸二水素アンモニウムを加えたところ、処理後の合金はANあるいはMAの溶出を損なうことなく擬似体液中で3日以内にほぼ表面全面にアパタイト形成を形成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
生体活性処理法を改良し、薬剤溶出能を含め、概ね目途がたったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、水和ゲルの薬剤溶出の有用性を高めるため、使用する生体材料(チタン合金)をメッシュ状に加工し、動物実験を行う。 また、アレンドロネード及びミノドロネートの徐放性を高めるため、酵素反応により、水和ゲルの架橋を強め36.5℃で溶けにくくし、生体活性処理もさらに改良する。
|