研究課題/領域番号 |
15K10407
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
寒竹 司 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30464324)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 機能的電気刺激 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
平成28年度は以下の成果が得られた。 ラット脊髄不全損傷後のニューロリハビリテーションの運動機能改善に与える影響を検討するため、現在までに併用療法が可能な埋め込み型に比較してより低侵襲な針電極型の刺激電極を用いた機能的神経筋刺激治療モデルを確立した。また、同モデルを使用して刺激周波数の違いが運動機能改善に与える影響について検討し、kiro-Hz刺激が運動機能改善に有効であることを確認し報告した(Biomedical Engineering Onlineに掲載)。平成28年度は受傷後急性期から亜急性期にかけて、より効果的な運動機能の改善が得られるリハビリプログラムを検討する目的で、機能的神経筋電気刺激治療と体重免荷歩行訓練の併用療法の効果について検討した。 25匹の成熟雌Fisher ratを使用し、トレッドミル治療群、機能的神経筋刺激治療群、両者の併用群、正常コントロール群、損傷コントロール群の5群(各5匹)で検討した。機能的神経筋刺激治療は脊髄損傷後5日目から両側の足関節の機能的神経筋電気刺激治療を1日15分、3日間施行した。トレッドミル歩行訓練は脊髄損傷後7日目から1日15分、4日間施行した。運動機能の評価はBBBスコアとトレッドミル上での三次元歩行解析を行って評価した。BBBスコアは受傷後1、3、7、10、14日目に評価し、三次元歩行解析は受傷後14日目に評価した。結果は現在解析中であるが、治療群と損傷コントロール群の間で、BBBスコアには有意差は認めなかった。一方、三次元歩行解析では左右後肢の接地タイミングが機能的神経筋刺激治療を行った群で改善傾向を認め、トレッドミル歩行訓練を行った群では歩行時の重心動揺性が損傷コントロール群に比較して減少する傾向を認めた。今後は解析をすすめて、論文化を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の目標であった体重免荷のトレッドミル歩行訓練と機能的神経筋電気刺激治療との併用療法の効果についての研究が終了し、有用な結果も得られており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度で得られた結果の解析をすすめ、論文化を行うとともに、成果を学会で報告する。さらに、再生治療と機能的電気刺激治療の併用療法の効果の検討をすすめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文作成にやや時間を要し、予定していた校正費用等の諸経費の支出がなかったのが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
論文作成をすすめ、次年度で校正費用等の諸経費に使用する予定である。
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