我々はこれまでに神経幹細胞移植とヒストン脱アセチル化酵素阻害活性をもつバルプロ酸を併用することで、脊髄損傷に対して高い治療効果を発揮する新規治療法を開発した。しかし、今回我々が開発したこの新規治療法を安全に臨床応用するためには、ヒトに近い霊長類で治療効果を詳細に検討することが必要である。 我々はこれまでにラット・マウス脊髄損傷モデルを用いた研究を展開してきたため、その技術を応用し、カニクイザル専用の圧挫損傷モデル作製装置を開発した。その後、軽度・中程度・重度の3つの異なる損傷エネルギーにて脊髄を圧挫損傷し、後肢機能を評価したところ、損傷エネルギーの大きさに応じて段階的な機能障害がみられた。
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