研究課題/領域番号 |
15K10412
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
大谷 晃司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50285029)
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研究分担者 |
関口 美穂 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00381400)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 頚椎症 / 頚髄症 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
横断的検討としては平成17年に頚椎MRIを撮像し、脊椎脊髄病学会指導医が身体診察を行い、かつ、特定健診(採血、保健師による医療受領状況等把握)がなされた一般住民ボランティア582名であった。また、縦断的検討としては平成28年または29年に平成17年度の582名のうち、データ欠損のない551名で調査時年齢80歳未満508名中209名に対して経過観察を行った(追跡調査率41%)。方法は、自覚症状から上肢症状を伴わない頚部周囲の痛みを頚椎症とし、片側または両側の上肢症状を有する場合を神経症状あり、そして無症状の3群に分類し、検討した。また画像所見としてはMRIは、T1矢状断正中像で明らかな脊髄圧迫がある場合を脊髄圧迫有り、T2 矢状断正中像でのくも膜下腔の消失を脊髄圧迫の可能性有り、そして、C2/3-C7/T1椎間板高位でのT2横断像で、明らかな正中または側方の椎間板突出を神経圧迫の可能性有りとし、いずれかの所見を認める場合を画像上の神経圧迫所見有りと判定した。自覚症状と画像所見との判定結果と平成17年度の特定健診結果より、高血圧、糖尿病、および脂質異常症における要医療、要指導、または通院中をそれぞれの疾患有りとの判定との関係を検討した。また、BMIと喫煙のBI指数(喫煙本数×年数)との関係も検討した。検討結果からは、頚椎の神経症状を疑わせる自覚症状の存在やその消長に対して、11-12年の経過観察ではメタボリックシンドロームを含む内科的疾患が強い影響を与えているとは言えなかった。頚椎の神経圧迫の画像所見に対しても同様な結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成16年に腰椎MRIを撮像し、脊椎脊髄病学会指導医が身体診察を行い、かつ、特定健診(採血、保健師による医療受領状況等把握)がなされた一般住民ボランティア459名中11年後の調査時で80歳未満であった186名の追跡調査が行えた(追跡調査率186/413=44.3%)。一方、平成17年び頚椎椎MRIを撮像し、脊椎脊髄病学会指導医が身体診察を行い、かつ、特定健診(採血、保健師による医療受領状況等把握)がなされた一般住民ボランティア551名中11-12年後の調査時で80歳未満であった209名の追跡調査が行えた(追跡調査率209/508=41.4%)。
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今後の研究の推進方策 |
最終研究期間の本年度は、昨年度に解析した頚椎と同様の検討を行うと共に、年齢階層別検討や画像上の変性所見の精緻な検討を行う予定である。また、追跡調査時の特定健診結果についてもデータ連結を行い、経過観察時のメタボリックシンドロームを含む内科的疾患との関係についても検討を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ連結および、追加調査のために使用する予定。
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