研究実績の概要 |
【方法】3週齢の幼弱なC57BL/6J雌マウス30匹を購買・飼育した。3週齢でイソフルラン投与による全身麻酔下に胸郭装具を装着し、1)コントロール群(CON)15匹、2)胸郭装具マウス群(CAGE)15匹の2群に分けた。8週齢にて屠殺し、側弯形成と骨代謝評価を行った。Xpにて胸椎Cobb角を測定した。骨成長評価のため、体重、大腿骨長、大腿骨横径、大腿骨前後径を測定した。血清骨代謝マーカーとしてオステオカルシン、TRAP5bを測定した。屠殺5日前、3日前にテトラサイクリン、カルセインを腹腔内投与し2重標識とした。 海面骨骨形態計測は第6,7,8胸椎にて行った。検体は70%エタノールに固定後、非脱灰標本として連携研究施設で測定を行った。コントロール群と胸郭装具マウス群の2群間比較を行った。また、Cobb角と海面骨骨量(BV/TV)との相関を検査した。 【結果】 CON群とCAGE群の平均Cobb角は0.9±1.1°、30.1±15.5°であった。Cobb角10度以上の側弯を認めたものは0匹/15匹、14匹/15匹であった。体重は18.5±0.8g、15.1±1.0gと有意にCAGE群で減少を認めた(P<0.01)。大腿骨長、大腿骨横径、大腿骨前後径は骨長;14.2±0.3mm vs. 13.7±0.3mm、横径;1.7±0.1mm vs. 1.6±0.1mm、前後径;1.15±0.02mm vs. 1.09±0.06mmでありCAGE群がCONに比べ骨成長が阻害される傾向にあった。血清マーカーは有意にCAGE群が高値を示した(オステオカルシン;4511±825pg/ml vs. 11063±4055pg/ml、TRAP5b;9.1±1.0U/l vs. 11.3±1.4U/l, P<0.05)。海面骨形態計測ではCAGE群がCONに比べ骨構造の脆弱化と高骨代謝回転を示した。(BV/TV;20.2±3.5% vs. 11.3±3.8%,Tb.Th;39.6±4.3um vs. 26.0±2.9um, BFR/BS;0.18±0.03mm3/mm2/year;/mm3mm2/year vs. 0.24±0.03mm3/mm2/year, P<0.05) Cobb角はBV/TVと負の相関を認めた(R=0.67, P<0.05)
|