研究課題/領域番号 |
15K10414
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
水谷 潤 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70326156)
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研究分担者 |
大塚 隆信 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10185316)
鈴木 伸幸 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50551230)
松川 則之 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (20305543)
植木 美乃 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40467478)
梅村 淳 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (00244567)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 成人脊柱変形 |
研究実績の概要 |
成人脊柱変形は大きな侵襲を伴う手術である。高齢化社会に伴い成人脊柱変形手術の必要性が高まっているが、我々は従来からその低侵襲化を目指してきた。成人脊柱変形のなかでも、頚椎後弯変形は、前方視困難、頚部痛など日常生活に重度の影響を及ぼす。また、パーキンソン病における脊柱変形も難治性脊柱変形の代表として知られている。 また、近年その概念が格段に進歩した全脊柱バランスにおいて、現在まで頚椎後弯変形と全脊柱バランスとの関係に関する詳細なデータは皆無であった。 頚椎後弯変形と全脊柱バランスとの関係を頭蓋重心の位置に着目して検討し、頭蓋重心位置によって2群に分けられることを明らかとした。またパーキンソン脊柱変形は従来手術治療は禁忌とされる報告が多かったが、我々は症例を選び手術治療を行なっており、その成績や問題点に関してデータを積み上げることができ、パーキンソン脊柱変形においては、上位胸椎から仙腸骨まで固定を行なった方が合併症などが生じにくいことを明らかとした。 それら成人脊柱変形に対する手術の低侵襲化においては、近年普及してきた側方侵入椎体間固定を積極的に応用し、出血量の軽減などその有用性を明らかとするとともに、手術侵入におけるより安全な展開法を工夫を重ね見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パーキンソン患者のレントゲン撮像が当初の予定よりも遅くなっている。しかしながら、頚椎後弯変形患者に対する横断的解析から、頚椎後弯変形患者の全脊柱アライメントは今まで報告例はなかったものの、我々はそれらを初めて解析し論文化することができた。さらに、頚椎後弯変形患者に対する頚椎矯正手術後の全脊柱バランスの変化に関しても新たな知見を見出し、各種学会で報告し、さらに成人脊柱変形に対する低侵襲手術として近年確立された側方侵入椎体間固定術の安全な手術展開方法を見出し、各種学会で報告するなど、着実に進捗はしている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの研究をさらに積み重ね、パーキンソン脊柱変形に対する矯正固定術の問題点を明らかにするとともに、術前全脊柱アライメントの横断的研究を進める。低侵襲椎体間固定術の展開法のさらなる改良を進めること、頚椎後弯変形に対しては頚椎変形矯正術後の全脊柱アライメント変化の知見を見出したので英語論文化するとともに、頚椎固定術後の嚥下障害に対して、健常人ボランティアの協力を得て固定術後の頚椎アライメントと嚥下困難に対する知見を見出すよう研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗により、当初予定していた物品購入の一部を次年度に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に購入するように変更した物品を含め、研究計画に沿って必要な物品を購入する。
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