研究実績の概要 |
同じデザインでTi6Al4V合金とTiNbSn合金のイヌ人工股関節ステムの作製した。TiNbSn合金ステムの弾性率は55GPaであることをステム製作後に測定して確認している。Ti6Al4V合金ステムの弾性率は110GPaであった。10kgの雄ビーグル犬に人工股関節を施行した。現在は術後の経過を観察している。術後にCTを撮影して、ステム周囲の骨新生の観察、FEMを用いた応力解析、人工関節周囲の骨組織評価を行っていく予定である。並行して、TiNbSn合金の陽極酸化処理による骨親和性の改善効果と、TiNbSn合金の特徴である低弾性が骨癒合促進に与える影響の検討を行っている。ウサギ脛骨モデル、マウス脛骨モデルにはおいてTiNbSn合金群が、ステンレススチール群あるいはTi6Al4V群に比して骨折部仮骨において骨新生の形成亢進が確認された。癒合後の骨強度も今後評価し、低弾性金属材料の骨癒合促進効果についても明らかにしていきたい。酢酸陽極酸化による骨親和性の改善効果について、金属表面の解析結果についての論文がThin Solid Filmsに掲載された。Masahashi N, Mori Y, +7, Hanada S: Study of bioactivity on a TiNbSn alloy surface. Thin Solid Films 2017 639, pp. 22-28.また低弾性チタン合金の骨癒合に与える影響についての論文もJournal of Biomedical Materials Research part Bに掲載された。Fujisawa H, Mori Y, +3, Masahashi N, Hanada S, +1: Effects of intramedullary nails composed of a new β-type Ti-Nb-Sn alloy with low Young’s modulus on fracture healing in mouse tibiae. J Biomed Mater Res B, in press.
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