①CDK4の発現 現在まで120例の臨床検体の解析を行いうち10例に過剰発現を確認しそのうち8例が脂肪肉腫であり、2例にその他の組織の組織系が含まれた。さらに検体数を増やして現在解析を追加中である。Rbタンパクの発現解析に関しては免疫組織化学用の抗体を購入して、その発現の低下が証明されている網膜芽細胞腫の検体をもいいた条件設定を施行している。 ②CDK4阻害剤の抗腫瘍効果 脂肪肉腫NDDLS1に対する阻害剤LY2835219のIC50=19.50561μmol/l、PD0332991のIC50= 45.7674μmol/l 、線維肉腫HT1080に対するLY2835219 のIC50=17.71uM PD0332991のIC50=50.64uM、対象とした乳がん細胞では腫瘍増殖抑制効果が認められなかった。すなわち乳がんに比しては抗腫瘍効果が期待されたが線維肉腫に対する優位性は確認できなかった。その他の肉腫細胞(滑膜肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍)に関する感受性試験を現在施行中である。
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