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2015 年度 実施状況報告書

RAGEにより誘導される骨肉腫幹細胞モデルの確立とその分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K10435
研究機関金沢大学

研究代表者

武内 章彦  金沢大学, 医学系, 助教 (70512218)

研究分担者 山本 靖彦  金沢大学, 医学系, 教授 (20313637)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード骨肉腫 / 幹細胞 / 糖化蛋白受容体
研究実績の概要

RAGE過剰発現ヒト骨肉種細胞株(HOS-RAGE細胞株)と対称のmock導入ヒト骨肉種細胞株(HOS-mock細胞株)において、平成23-25年度に若手B研究によりHOS-RAGE細胞株では、Genechipによる発現遺伝子解析で有意に変化する遺伝子(主に細胞周期に関わるもの)を複数見出したが、spheroidを形成した状態がより幹細胞の性質に近いと考え、以下のassayを実施した。
1.網羅的遺伝子解析 HOS-RAGE細胞株とHOS-mock細胞株をUltra Low Attachment Culture Dishで培養し、HOS-RAGE細胞株はspheroidからRNAを精製した。HOS-mock細胞株はsperoidを形成せず、接着細胞からRNAを精製した。これらをAffimetrix genechip pathway解析を施行した。その結果,通常培養で解析した結果とは異なり、特定の癌遺伝子の高発現をみとめた。
2.幹細胞マーカー発現の解析 上記1で精製したRNAを用いて、Nanog, SOX2といった幹細胞マーカの発現をリアルタイムPCRで解析すると、HOS-RAGE細胞株では、有意にHOS-mock細胞株よりもNanog, SOX2の発現が高かった。
3.細胞増殖能の解析 HOS-RAGE細胞株とHOS-mock細胞株の細胞殖能を比較すると、24,48、72時間後それぞれにおいてHOS-RAGE細胞株が有意に細胞増殖能が高かった。
4.細胞遊走能の解析 wound scratch法による細胞遊走能を比較すると、HOS-RAGE細胞株はHOS-mock細胞株よりも有意に遊走能が高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子発現の解析を、通常培養ではなく形成されたspheroidを用いることで、より幹細胞に近い条件での遺伝子の発現を評価することができたと考える。そして、それによって新たに興味深い遺伝子の発現をとらえることが出来た。RAGEによって、これらの癌関連遺伝子の発現を誘導するという報告はなく、新たな知見がえられつつあると考える。よって、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

平成28年度は、平成27年度にGenechipで見出している標的遺伝子の発現をRealtime PCR (rt-PCR)で解析する。また、RAGE過剰発現ヒト骨肉種細胞株(HOS-RAGE細胞株)と対称のmock導入ヒト骨肉種細胞株(HOS-mock細胞株)のmiRNA arrayによる解析も行い、候補miRNAの発現の絞り込みを行う。そして、siRNAあるいはshRNA法を用いたHOS-RAGE細胞株の標的遺伝子ノックダウンによって肉腫幹細胞形質消失を指標に遺伝子を絞り込みを行う。さらに、同定された標的遺伝子の機能解析として標的遺伝子をHOS-mock細胞株に導入し肉腫幹細胞の形成が生じるかを解析する。さらにSCIDマウス移植による腫瘍形成・転移能を解析し、肉腫幹細胞の形質を有するか、つまり肉腫幹細胞への形質転換が生じるかを確認する。

次年度使用額が生じた理由

miRNA arrayの解析を次年度にずらしたため、次年度使用額が生じたが全体の計画には変更はない。

次年度使用額の使用計画

次年度のmiRNA arrayの解析に使用する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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