研究課題
【目的】我々は、骨肉腫の肺転移に関わるExosomeの同定とその機能解析を行った。【方法】実験は、マウス骨肉腫細胞株:Dunnと、その高肺転移株:LM8を用いた。①DunnとLM8に対し、PBS(control)、Dunn由来Exosome、LM8由来Exosomeを添加し細胞増殖(MTS assayで評価)、細胞移動能(Boyden Chamberを用いたMigration assayで評価)への影響を調べた。②DunnとLM8から放出されるexosomeの量をタンパクレベルで比較した。③DunnとLM8培養上清由来Exosomal miRNAの発現プロファイルをmicroRNA arrayで網羅的に解析し、qRT-PCRで再現性を確認した。④マウス背部にDunn、LM8を移植し、腫瘍形成後に採取したマウス血清を用いてmiRNAの発現プロファイルをmicroRNA arrayで解析した。⑤LM8で高発現していたmiRNAをDunnに導入し増殖・移動能に関する影響を調べた。【結果】①LM8由来ExosomeはDunn細胞の増殖能と移動能を促進した。②LM8はDunnの約1.7倍量のexosomeを培養液中に放出していた。③Exosomal miRNAの発現解析では、LM8 はDunnと比較して、8種類のmiRNAが4倍以上の発現量を示していた。④LM8で高発現していた、miR-AとmiR-Bは、マウスの血清中exosomeでも約1.5倍高発現していた。⑤miRNAの機能解析において、miR-AはDunnの増殖を促進し、miR-BはDunnの移動能を促進した。【考察および結論】LM8では、Dunnと比較して、より多量のexosomeを放出すると共に、特定のexosomal miRNAの発現量が増加していることが明らかとなった。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件)
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