研究課題/領域番号 |
15K10443
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大江 啓介 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (20514623)
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研究分担者 |
新倉 隆宏 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (40448171)
李 相亮 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40533732)
岩倉 崇 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60437473)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | miRNA / 骨折 / 偽関節 / 難治性骨折 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
骨折治癒において重要な役割を果たすmiRNAを明らかとするため、ラット大腿骨骨折における骨折後5・11・14日目の骨折部でのmiRNAの発現をマイクロアレイにて網羅的に解析した。具体的には、骨折モデルとしてラット(Sprague-Dawley, 12週齢)の大腿骨骨折髄内釘固定モデルを用いた。骨折作成後5・11・14日目に、骨折部の組織を採取し、miRNAを抽出し、マイクロアレイを用いmiRNAの発現を網羅的に解析した。この解析で対照に比べ大きな発現の差異を認めたmiRNAのうち、過去に「血管新生に関連性」が報告されているmiRNAを選別したところ、miR-140-3p・miR-140-5p・miR-126a-3p・miR-146a-5p・miR-27bが候補として挙げられた。 次いで、これらのmiRNAの発現量の挙動をreal-time PCRにて経時的に解析した。具体的には、骨折作成後5・7・11・14・21・28日の6つのtime pointsで骨折部の組織を採取し、miRNAを抽出し、real-time PCR解析を行った。 現在、real-time PCR解析が進行中であるが、「骨折治癒」「血管新生」に関連するmiRNAの候補として、miR-126a-3p・miR-146a-5p・miR-27bが有望視されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロアレイおよびreal-time PCR解析の結果から、有望な「骨折治癒に重要な血管新生」に関連するmiRNAの候補がいくつか絞れてきたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究結果により選定された骨折治癒に重要な「血管新生に関連するmiRNA」に対応するanti-miRNA oligonucleotideをラット大腿骨偽関節モデルの偽関節部に移植し、偽関節の治癒・骨再生が起きるかを検討する。また、その過程における、分子細胞学的・組織学的・力学的検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
miRNA解析に用いる試薬費用(物品費)が想定より下回ったため
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次年度使用額の使用計画 |
新たに発生した次年度使用額は、miRNA inhibitor等のin vivo実験の試薬に使用する予定である。
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