| 研究課題/領域番号 |
15K10445
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| 研究機関 | 岡山大学 |
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研究代表者 |
渡邉 典行 岡山大学, 大学病院, 医員 (80708107)
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| 研究分担者 |
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40294459)
松川 昭博 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90264283)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 生体材料 / チタン結合性BMP / リン酸化プルラン |
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| 研究実績の概要 |
骨折などの整形疾患において，BMP等の成長因子は治癒に非常に効果的に働く。しかし，これらの機能を十分に発揮させるには，まず患部にそれらの物質を留め，必要に応じて効果的に徐放させる技術を開発しなければならない。本研究では，理化学研究所と岡山大学で共同開発した２つの新規生体材料である①チタン結合性BMP-2，②リン酸化プルランによるBMP-2のチタンコーティングを用いることにより，骨粗鬆症患者の骨折治療に有効な新しい骨組織再生・再建技術を開発することを目的としている。
平成27年度においてはチタン結合性BMPの生体内における基材定着安定性を評価する目的で，チタン結合性BMPを付与したチタン円板を10週齢BALB/cマウスの背部皮下に留置し，4週後に取り出したチタン円板を電子顕微鏡で観察した。対照群として表面に何も付与していないチタン円板を用いた。4週後においては電子顕微鏡での元素分析でBMPを付与したチタン円板表面上にわずかにCa結晶を認めた。対照群である通常のチタン円板表面上にはCa結晶は全く認めなかった。BMPなどの成長因子は本来骨組織周囲において十分な働きを示すと考えられるが，平成27年度においては骨代謝が盛んではない皮下といった環境下において，基材定着性を評価した。このような環境下においても，本研究で用いたチタン結合性BMPは長期に基材との定着性を保ち，新たな骨新生を促進する可能性を示した。
このことは今後皮下以外にも，骨組織周囲といった本来BMPなどの成長因子が積極的に活動性をもつと考えられる環境下においても，基材定着安定性と骨新生を期待できる新たな知見であり，今後の研究に寄与することができるものと考える。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規生体材料の基材定着安定性については，生体内を中心に検討を行うことができた。特定の環境下において一定の基材定着性と，骨新生能を期待できる結果をある程度認めることができ，今後の研究に寄与できるものと考える。
リン酸化プルランを用いたBMPによるチタンコーティングについては今後の検討課題である。
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| 今後の研究の推進方策 |
BMPが実際にその役割を果たす場となる骨組織周囲に，チタン結合性BMPを付与したチタンインプラントを留置して，その骨形成能を評価検討する予定である。
現時点での予定はまずは正常マウスやウサギにおいて評価し、その後可能であれば骨粗鬆症動物モデルにおける評価へと研究を推進していく予定である。
また，リン酸化プルランを用いたBMPによるチタンコーティングについても検討予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
チタン結合性BMPに関する試薬の調整が予定よりも順調であったため，支出が予定よりも抑えられた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成28年度以降，実験の進捗により実験動物の購入および実験結果の分析費用が増加することが予想されるため，当該研究費を使用する予定である。
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