研究課題/領域番号 |
15K10459
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高木 理彰 山形大学, 医学部, 教授 (40241707)
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研究分担者 |
佐々木 幹 山形大学, 医学部, 准教授 (00444034)
高窪 祐弥 山形大学, 医学部, 講師 (80431641)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 人工関節 / 自然免疫 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
人工関節の開発、臨床応用から半世紀余りが経過し、現在、膝関節、股関節を中心に、少なくとも年間200万件以上の手術が世界中で行われていると推定されている。変形性関節症、関節リウマチをはじめ、末期の関節障害の治療に人工関節はなくてはならない治療法の一つで、日常生活の質の向上に大きく貢献している。しかし、インプラント感染症や非感染性の骨溶解と弛みの問題は未だ長期成績に大きく影響している。インプラント感染症に対する生体反応機構には未だ不明な点が多い。生体反応機構の解明により感染症の発生や病態の進行を抑制することで、人工関節の長期成績が向上すると期待されている。 本研究では、種々の炎症病態に深く関与する自然免疫系受容体、特にマクロファージに発現するToll様受容体(Toll-like receptor: TLR)とNod 様受容体(Nod-like receptor: NLR)に着目し、これらの関連分子の組織局在と機能解析を行い人工関節インプラント感染症における生体反応機構の解明を目的としている。 昨年度は、リボタイコ酸を用いたマクロファージ刺激試験においてNLRP3発現が亢進すること、向炎症性サイトカインであるTNF-alpha発現・分泌が亢進する一方で、IL-1betaの発現は遺伝子レベルで亢進するものの分泌されない現象を明らかにした。 本年度は、LPSおよび非メチル化CpG DNAを用いたマクロファージ刺激試験においてTLRs, NLRP3及びそれらのアダプター関連分子の発現動態を解析した。また、感染性人工関節周囲組織における TLRs、NLRs並びアダプター関連分子の組織及び細胞局在を病理学的に検討し、非感染性弛緩人工関節周囲組織、変形性関節症並びに関節リウマチ滑膜組織と比較した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPSおよび非メチル化CpG DNAを用いたマクロファージ刺激試験において、TLRs、NLRP3及びそれらのアダプター関連分子の発現動態の解析が進んでいる。また、感染性人工関節周囲組織における TLRs、NLRsおよび、そのアダプター分子をはじめとする関連分子の蛋白レベルでの組織及び細胞局在を病理学的に検索し、非感染性弛緩人工関節周囲組織、変形性関節症並びに関節リウマチ滑膜組織と比較検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に基づいて、感染性人工関節周囲組織およびマクロファージ刺激試験において、TLRsおよびNLRsとそのアダプター分子の発現動態の解析を更に進めて行く予定である。
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