研究課題
本邦における65歳以上の人口は過去10年で全人口の17.5%から24.1%と急激に増加している。米国における報告では、高齢人口の増加に伴って人工股関節全置換術は、2010年に65.5万件であったものが2020年には137.6万件に増加すると予想されている。しかし、インプラント感染症や非感染性の骨溶解と弛みの問題は未だ長期成績に大きく影響しているが、インプラント感染症に対する生体反応機構には未だ不明な点が多い。本研究では、昨年までにリボタイコ酸を用いたマクロファージ刺激試験においてNod 様受容体発現が亢進すること、向炎症性サイトカインであるTNF-alpha発現・分泌が亢進する一方で、IL-1betaの発現は遺伝子レベルで亢進するものの分泌されない現象を明らかにした。最終年の本年は、LPSおよび非メチル化CpG DNAを用いたマクロファージ刺激試験においてToll様受容体, Nod 様受容体及びそれらのアダプター関連分子の発現動態を解析した。また、感染性人工関節周囲組織におけるToll様受容体、Nod 様受容体並びにアダプター関連分子の組織及び細胞局在を病理学的に検討し、非感染性弛緩人工関節周囲組織、変形性関節症、関節リウマチ滑膜組織と比較した。種々の炎症病態に深く関与する自然免疫系受容体、特にマクロファージに発現するToll様受容体とNod 様受容体に着目し、これらの関連分子の組織局在と機能解析を行った。これらの人工関節インプラント感染症における生体反応機構を解明することにより、人工関節感染症の発生や病態の進行を抑制することで、人工関節の長期成績が向上すると期待されている。
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