研究課題/領域番号 |
15K10462
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森崎 裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30508099)
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研究分担者 |
田中 健之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00583121)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80529040)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 変形性関節症 |
研究実績の概要 |
CCAAT/エンハンサー結合タンパク質(C/EBP)は共通のロイシンジッパー構造を持つ6種類のファミリーから成る転写因子群であり、各々が様々な細胞において炎症・増殖・代謝など幅広い機能制御を担っている。申請者らは過去に、軟骨細胞でドミナントに働くC/EBPβの変形性関節症促進作用を報告したが、最近複数のC/EBPファミリー分子が軟骨細胞の炎症やアポトーシスに強く関与することを示唆するデータを得た。本研究では、C/EBPファミリー分子が変形性関節症と炎症性関節疾患の発症、進行をどのように制御するかを総合的に解明するため、疾患サンプルにおける発現解析、機能解析を行う。C/EBPファミリーのうち転写活性化ドメインを有するCebpa, Cebpb, Cebpd, Cebpeの4つの分子のマウス関節軟骨での発現をmRNAレベルで測定したところ、Cebpbの発現が最も豊富であり、Cebpdの発現がその半分程度であったが、他の分子の発現は2桁以上低かった。関節軟骨変性に伴う発現量の変化を解析したが、ともに初期には増加し、末期には減少していた。ヒト患者サンプルでの解析でも同様の結果が得られ、Cebpは変性初期に病態に関与している可能性が考えられた。細胞株に過剰発現させる実験では、Cebpb, Cebpdともに軟骨基質分解酵素を誘導する作用が確認された。各ファミリー分子に比較的類似した作用が見られたことから、全ファミリーに共通したドミナントネガティブフォームを用いた解析も行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発現解析、細胞レベルでの解析は当初の予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
細胞培養レベルでの解析を進めるとともに、遺伝子改変マウスを用いた実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね研究が順調に進み、当初予定していた経費以下で計画を遂行することができた。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞培養レベルでの解析を実施するのに必要な試薬、解析費用。遺伝子改変マウスを用いた実験を進めるために必要なマウス、試薬。
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