研究課題
膝滑膜由来の間葉系幹細胞を用いた関節軟骨、半月板の再生医療の有効性、安定性を保証する為には、移植に用いる細胞の量(細胞数)と共に質(可塑性、多分化能)を制御する手技及び評価法の確立が不可欠である。本研究では、その為の学術的基盤を構築することを目標とする。本研究の期間内では以下の項目に関して検討することを試みる。(1)滑膜由来間葉系幹細胞の増殖を制御するシグナル経路の解析。(2)滑膜由来間葉系幹細胞の可塑性(多分化能)の維持(獲得)に関わるシグナル経路の解析。これら2項目の検討結果に基づいて、最終的には、移植した細胞による組織再生能力の正しい評価法の確立を試み、幹細胞移植による再生医療の高効率化に貢献することを目標とする。変形性膝関節症に伴う人工膝関節置換術の際に廃棄された滑膜組織より分離、培養により得られた間葉系幹細胞を実験に用いた。本実験に先立ち、本学ヒト倫理審査委員界の承認並びに組織を提供してくれた患者さんの同意を得ている。ヒト細胞において発現が観察される242抗原を網羅した抗体アレイを用いて、ヒト間葉系幹細胞において安定して発現が観察される27抗原の同定を行なった(n=4)。これらの中には、間葉系幹細胞を定義づけるCD73, CD90, CD105が含まれていたことから、実験の信頼性は担保されたと考えている。増殖因子に対する受容体としてPDGFRa及びPDGFRbが同定された。11種類の抗原は、インテグリンファミリーに属する接着因子であり、その他テトラスパニンファミリーに属する分子も同定された。これらの中から機能的に興味深いと考えられる表面抗原分子のピックアップを行なった。さらに同定した表面抗原の中で間葉系細胞のみに発現が観察される分子を同定した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)
J Orthop Res.
巻: in press ページ: in press
10.1002/jor.24042.
Stem Cell Res Ther.
巻: 9 ページ: 123
10.1186/s13287-018-0870-9.
Sci Rep.
巻: 8 ページ: 1288
10.1038/s41598-018-19670-x.
J Med Dent Sci.
巻: accepted ページ: accepted