研究課題/領域番号 |
15K10465
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加畑 多文 金沢大学, 大学病院, 准教授 (10334749)
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研究分担者 |
林 克洋 金沢大学, 大学病院, 助教 (80507054)
高木 知治 金沢大学, 大学病院, 医員 (40749173)
方 向 金沢大学, 医学系, 博士研究員 (20750350)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生医療 / 変形性膝関節症 / 脂肪幹細胞 / paracrine effect |
研究実績の概要 |
変形性膝関節症(以下OA)の軟骨変性に対し、脂肪由来間葉系幹細胞adiposed-derived stem cells (ADSC)を用いた予防・修復の可能性を動物実験で検証する。特に脂肪幹細胞のparacrine effectを増強させることによる予防・修復の効率化を確立し、臨床応用出来ないかと考えている。本研究では、ADSCシートを用いることで関節内への幹細胞の生着率を向上させ、OA予防効果の増強を目指す。平成27年度は、家兎の両膝に前十字靭帯切離術を施行し、外傷性のOAモデルを作製した。同時に家兎の後頚部から脂肪を採取し、ADSCを培養した。培養したADSCからADSCシートを作成し、OAが完成する術後4週、5週、6週の時点でADSCシートを移植した。control群にはsham手術としてADSCを含まないシートのみを移植した。術後8週・12週の時点で各群ソムノペンチルによる安楽死を行い、関節面の肉眼評価、組織学的評価、免疫組織染色、DiIによるトレーシングを行った。現在は対象数の増加と結果の解析を行っている。我々の研究チームではすでに、同モデルにおいてヒアルロン酸を担体とした研究を行っており、平成27年度に英文誌に掲載された(研究成果の雑誌論文の項を参照)。同研究は、OAモデル作製法や評価方法、移植する細胞数は本研究と共通しており、本研究結果と比較して脂肪幹細胞シートの優位性を検討していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度でOAモデルの作製、シートの移植までの手技はほぼ確立した。現在はn数を増やし、各種評価を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
我々の研究チームではすでに、ヒアルロン酸を担体とした同様な研究を行っており、本研究結果と比較して脂肪幹細胞シートの優位性を検討する予定である。 平行してin vitroでの評価も検討している。具体的には、膝関節より抽出した軟骨細胞とADSCあるいはADSCシートを共培養し、OA状況下を反映するためTNF-α刺激を加える。培養液中のMMP3、MMP13、ADAMTS5をrealtime PCRで定量評価を行い、ADSCのparacrine effectを評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度には研究費を適正に使用したが、OAモデルの作製およびADSCシート移植の手技の確立に予想よりも時間を要し、未使用額が生じたため平成28年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度はOAモデルの実験を引き続き行い、さらに前述のin vitroの実験も並行して行う予定である。
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