研究課題
変形性膝関節症(以下OA)の軟骨変性に対し、脂肪由来間葉系幹細胞adiposed-derived stem cells (ADSC)を用いた予防・修復の可能性を動物実験で検証する。特に脂肪幹細胞のparacrine effectを増強させることによる予防・修復の効率化を確立し、臨床応用出来ないかと考えている。本研究では、ADSCシートを用いることで関節内への幹細胞の生着率を向上させ、OA予防効果の増強を目指す。平成27年度は、家兎の両膝に前十字靭帯切離術を施行し、外傷性のOAモデル作成の手技を確立した。同時に家兎の後頚部から脂肪を採取し、ADSCを培養した。培養したADSCにアスコルビン酸を添加することでADSCシート作成の手技を確立した。平成28年度は家兎のOAモデルに対して、OAが完成する術後4週から1週おきにADSCシートを移植した。control群にはsham手術としてADSCを含まないシートのみを移植した。術後8週・12週の時点で各群ソムノペンチルによる安楽死を行い、関節面の肉眼評価、組織学的評価、免疫組織染色を行った。この時点で、術後8週モデルのデータはすべて出そろい、かつADSC群で有意に軟骨変性が抑制されていた。平成29年度はまず、術後12週モデルのデータをすべて揃えた。12週時点ではOAの進行が著名で、組織学的解析では若干の有意差が出たものの、肉眼的解析では差を認めなかった。さらに、術後6週・10週のモデルを追加し、同様の解析を行った。我々の研究チームではすでに、同モデルにおいてヒアルロン酸を担体とした研究を行っており、平成27年度に英文誌に掲載された。同研究は、OAモデル作製法や評価方法は本研究と共通しており、本研究結果と比較して脂肪幹細胞シートの優位性を検討していきたいと考えている。
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