最終年度はさらなるin vivoの解析を進めた。 Ext1 f/f x Prg4-Creを使用し、3M齢の同マウスは関節軟骨に肥大軟骨細胞の出現を認めた。免疫染色、in situ hybridizationにて同細胞のキャラクタリゼーションを行うと、MMP13の発現、Col10の発現を認め、まさに肥大軟骨細胞の特徴を有していた。肥大軟骨細胞は変形性関節症の特徴の一つであり、週齢が進むにつれ、関節軟骨の変形が進行することが予想されたが、同マウスを12Mまで観察したが、肥大軟骨細胞は存在するものの、変形性関節症の進行は認められなかった。 そこで、我々は半月板切除モデルのマウスを作製し、変形性関節症が進行するかどうかを検討したものの、これもWild TypeとKOマウスでは差を認めなかった。現在、さらに靭帯切除モデルを作製し、検討を行っているところである。 この肥大軟骨細胞の出現は、様々な報告から、BMPシグナルの増強によるものと推察し、その免疫染色を行ったが、関節軟骨細胞ではその上昇が見られたため、BMPシグナルが関与しているものと考えられる。 今後、薬剤の可能性を探り、更なる研究を進めていく予定である。
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