研究実績の概要 |
p21ノックアウトマウスとLitter mateのワイルドタイプ群のマウスに変形性膝関節症モデルである、Distabilizaton of medial meniscus (DMM) modelを作成し、8週でsacrificeした、まず形態学的に膝関節のマイクロCTを撮影したところ、p21ノックアウトマウス群で骨棘を伴った軟骨組織の破壊像を認め、関節症性変化の進行を認めた。さらに組織学的に検討したところ、関節滑膜組織において炎症性細胞の浸潤と滑膜の重層化を認めた。さらに軟骨組織において関節軟骨の破壊を伴った関節症性変化の進行を認めた。さらにp21ノックアウトマウス群では、コントロール群に比較して炎症性細胞の浸潤(F4/80で免疫染色)に伴った変形性関節症の進行を認めた。このメカニズムに関してIKK, MMP-3, MMP-13, IL-1 betaの免疫染色を行ったところ、p21ノックアウトマウス群においてこれらの分子の発現が上昇している結果が得られた。これら局所の変化を評価するためにDMM作成後1, 7, 14, 21, 56日での血清を採取し、p21ノックアウトマウス群とコントロール群で血清中のIL-1 betaの濃度を作成すると、0日以外はすべてのタイムポイントでIL-1 betaの濃度が高値を示した。これらの結果を総合するとp21ノックアウトマウスではコントロールに比べ、全身性にも局所的にもIL-1 betaによる炎症が亢進しており、このことにより関節症の進行が起きていると予想された。現在その現象のメカニズムをさらに解明している状況である。
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